発達障害が原因で借金を作ってしまう人は少なくありません。
ADHDも発達障害のひとつ。
本当は借金なんてしたくないのに、浪費癖がつき借入を繰り返してしまう方もいらっしゃるでしょう。
そこで、本記事のポイントはこちら。
ADHDの人が借金と浪費癖から抜け出す方法を解説
1日も早く借金と浪費癖の二重苦から一緒に抜け出しましょう。
完済へ向けて今日から行動できます。
ADHDの借金と浪費癖を同時に乗りこえる方法はコレ

ADHDは脳機能障害による障害のひとつです。
大人になってから「日常生活を送るのが難しい」とようやく気づいて、障害だと判明することも多いですよね。
また、ADHDの方は金銭管理が苦手というトラブルも抱えています。
たとえば、以下のような状況が思い当たりませんか。
- 貯金を増やせない
- ほしいものができたらすぐに買わないと心がそわそわする
- ほしいものは借金してでも手に入れたい
お金の管理がうまくいかず、そのうえ、どうやって対処していいのかもわからずに悩んでいる方が多いはずです。
ADHDなどの発達障害は、病院の治療では完治するのが難しいと言われています。
しかし、借金と浪費癖は「債務整理」によって、解決または改善につなげられるのです。
まずは債務整理で借金を解決しよう
債務整理は、弁護士など法律の専門家を通して借金を減らしたり、ゼロにしたりする法的な手続きの総称です。
手続きには4つの方法があり、専門家と相談しながら最も自分に適した方法で手続きするのが一般的です。
- 任意整理
- 過払い金請求
- 個人再生(民事再生)
- 自己破産
※過払い金請求は、他の債務整理でも借金総額を再計算した時点で発覚することがある。
<債務整理の一覧表>
種類 | 手続きの概要 |
任意整理 |
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過払い金請求 |
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個人再生 /民事再生 |
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自己破産 |
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自己破産以外は、手続き後に返済活動がありますので、ある程度収入が見込める状態でないと厳しいかもしれません。
一方で、自己破産は収入がなくても手続きができます。
発達障害のため社会に出て働きずらい場合や、うつ病などの精神疾患で失業してしまった場合など、毎月一定額の収入がない状況でも問題なく手続きできる点は大きいですね。
いずれの場合も、どの手続きにするかは借金や収入などの条件によって人それぞれ違います。
大人の浪費癖も債務整理で改善が可能
債務整理は借金を解消する手続きですが、浪費癖の改善も一緒に見込めるのです。
なぜ、債務整理で浪費癖も一緒に改善できるのでしょうか。
通常どの手続きをしても「信用情報機関」という場所に、債務整理の事実が登録されます。
「信用情報機関への登録=ブラックリスト登録」と言われています。
ブラックリスト状態になると、クレジットカードの契約や利用をはじめ、新たな借入も各機関から断られる可能性が高まるのです。
要するに、こんな状態が待っています。
例)
- 買い物したくてもカードの利用が停止されるため、お店で会計してもらえない
- お金を借りに金融機関の窓口へ行っても、手続きしてもらえない
- 携帯電話や車のローン契約も組んでもらえない
また、ブラックリスト登録は最低5年間解除されません。(借入先の機関によって登録期間は異なります)。
つまり、本人の意思にかかわらず、5年間は浪費癖から脱出できると言えるでしょう。
借金の原因は病気だと受け入れよう
ADHDなど発達障害の人にとって、借金ができた事実は耐えがたい苦しみですよね。
障害の症状も相まって「絶対に周囲に借金は知られたくない」と強く感じるかもしれません。
借金している方はどの方も周囲の目を気にして、ひとりで不安を抱えています。
しかし、相談者さまが借金を抱えたのはADHDが原因です。
どうかお一人で解決しようとは思わないでください。
病院に通って治療を受けるように、借金も専門の相談窓口へいって解決してもらうのです。
借金問題は弁護士に頼りましょう。
弁護士は、医者が病気を治すように、金銭トラブルを抱えた多くの人々の相談に応えて解決してくれます。
また、弁護士は、相談者さまのように複雑な事情を持っている人の相談を毎日のように聞いていますので、話しにくいと感じる必要はありませんよ。
弁護士になんと言って相談すればわからないなら「自分に合う借金の解決方法を教えて」と聞いてみるだけで大丈夫です。
東京ロータス法律事務所さんなら、日本中どこにお住まいでも匿名で相談に乗ってもらえます。
初回相談は無料なので、ひとまず話を聞いてもらうだけでも心が軽くなるはずです。

大人の浪費癖はADHDだけではない!知っておきたい発達障害

ADHDは大人でも浪費癖を誘発します。
しかし、浪費癖につながる発達障害はほかにもあります。代表的なものはADHDを含めて3つ。
- ADHD(注意欠陥多動性障害)
- ASD(自閉症スペクトラム)
- LD(学習障害)
人によっては、同時に複数の障害を抱えていたり、他の知的障害を持っていたりするケースもあります。
この項目では、浪費癖につながる発達障害を知っておきましょう。
ADHD(注意欠陥多動性障害)
ADHDは、注意欠如多動性障害とも言われ、「不注意・多動性と衝動性・混合型」と3つの種類があります。
ADHDの種類1:不注意
「不注意」の人は注意力と集中力が低下し、以下の症状がよく見られます。
- 片付けや整理整頓が難しく部屋が汚れてしまう
- 忘れ物や物の紛失が多い
- 気が散りやすく、ひとつのことに集中するのが苦手
- 好きなことには、ほかを気にせず没頭しすぎる
- 時間や約束を守るのが苦手
- ケアレスミスが多い
ADHDの種類2:多動性と衝動性
「多動性・衝動性」の人に見られるのは以下の症状です。
- 落ち着いて座るのが苦手で、つい体を動かしてしまう
- 感情をコントロールできずに、暴言を吐いたり暴力をふるったりする
- 物事の優先順位を決められない
ADHDの種類3:混合型
上記3つの「不注意・多動性と衝動性」を合わせて持っている人が当てはまります。
- じっとしているのが苦手
- 物を失くしやすい
- 場所を選ばずに大声を出してしまう
- ルールを守れない
ADHDの人は、注意深く入金・出金を管理するのが難しいです。
また、衝動的に欲求を行動に移してしまうため、衝動買いなども多くなるでしょう。
ADHDで考えられる借金問題
- クレジットカードを限度額まで使い込む→返済の滞納
- お金が下ろせる状態だとすぐに下ろして使ってしまう→多重債務
ASD(自閉症スペクトラム)
ASDは自閉症スペクトラムのことで、アスペルガー症候群や自閉症、レット症候群など複数の発達障害をまとめた言い方です。
ASDには2つの症状があります。
- 社会的コミュニケーション力の低下
- こだわりが強く自分だけのルールを繰り返す
ASDの症状1:社会的コミュニケーション力の低下
言葉通り、コミュニケーションが苦手と顕著にわかる症状が多いです。
- 日常的に人と会話するのが難しい
- 表情の変化やジェスチャーを交えた会話が少ない
- 人と目を合わせるのが苦手
- 空気を読むのが苦手で、雰囲気に合わない発言をしてしまう
- 自分の伝えたいことをうまく伝えられない
ASDの症状2:こだわりが強く自分だけのルールを繰り返す
「毎日コレをしないと心がざわつく」など独自のマイルールをもとに行動し、うまくいかないとイライラを抑えられなくなります。
いつもと違うことが起こると、ストレスで最後まで物事に取り組めないことも多いですね。
ASDの人はとにかくこだわりが強いので、なにかを「ほしい」と思ったら、手に入れるまで落ち着きません。
そのため、手に入れるためならすぐに借金してしまう可能性も高いです。
ASDで考えられる借金問題
- 怪しいセールスをうまく断れず高額商品を買ってしまう→借入の発生
- ほしいものが多いと何度も借入をして購入してしまう→多重債務
LD(学習障害)
LDは学習障害を指し、知的の遅れがないものの、聴覚・視覚的な記憶が困難な人が当てはまります。
LDには3つの症状があります。
- 「読む」のが苦手
- 「書く」のが苦手
- 「計算」が苦手
LDの症状1:「読む」のが苦手
字を読むのが難しく、国内だけでも100万人以上が悩んでいる代表的なLDの症状です。
- 文字を音読すると、ほかの人よりも異常に遅い
- 長い文章を読むと疲れてしまう
- 飛ばし読みをしてしまう
- 不自然な場所で文章を区切って読んでしまう
- 見た目が似たような文字の違いがわからない
- 読めても内容を理解していない
LDの症状2:「書く」のが苦手
「読み」と同様に「書く」のが苦手であることもよく挙げられます。
- 字を書くのに時間がかかる、もしくは、異常に早いが雑に書いてしまう
- ひらがなばかり使ってしまう
- 漢字やアルファベットを書くのが苦手
- 書き間違えが多い
- 句読点を打って文章を書けない
- 決められた枠の中に文字を収められない
LDの症状3:「計算」のが苦手
そして、最後に「計算」です。
算数のような計算に加えて「数字の概念を理解する」「理論を立てて考える」のが苦手です。
- 九九や簡単な暗算が苦手
- 時計が読めない
- 算数の文章問題を理解できずとけない
- 図形問題が難しく感じる
LDの人は、計算が苦手ですので家計管理がとくに苦手と言えるでしょう。
LDで考えられる借金問題
- 貯蓄が困難なため、生活に困窮しやすい→借入の発生
- 自分が使える金額を理解していないため、目の前にお金があったらすぐに使い切ってしまう→借入の発生
発達障害になったら受ける2つの治療方法
発達障害になってしまったら、2つの治療で対応していきます。
- 生活治療
- 薬物治療
それぞれの治療法は以下の通りです。
生活治療
精神科などでカウンセリングを受けてケアしてもらう方法です。
自己理解を深め、コミュニケーション能力を向上させるためのトレーニングを受けます。
薬物治療
脳の伝達機能を強める薬剤を使って治療する方法です。
また、二次障害である睡眠障害などを、改善する薬物を使用する場合もあります。
服用期間も使用する薬物も個人差があるため、医師とのコンスタントな相談がかかせません。
発達障害を完治させるのは難しい
生活治療・薬物治療どちらの方法でも、残念ながら発達障害を確実に治すのは難しいとされています。
なぜなら、発達障害はケガや風邪と違って、人によって症状や種類がまったく異なり、治療法も多種多様なため、処置が明確ではないからです。
ゆえに、どの医療機関でも完治を目指すのではなく、社会に適応していくための能力を高めていく治療が進められます。
「本人・医療機関・周囲の協力」で少しずつ改善していくのが、発達障害との付き合いとされているのですね。
ADHDなどの発達障害者が受けられるお金の支援

発達障害の方が借金したら、返済が過酷になるのは容易にイメージできるでしょう。
しかし実は、お金に悩む発達障害者へ有効な支援制度がありますので、紹介いたします。
本記事で紹介するものがすべてではありません。
お住まいの地域では独自の支援制度がある場合もあります。
詳しくは各自治体の窓口などで聞いてみてくださいね。
心身障害者医療費助成制度
障害が重度であると認められた方が利用でき、医療費の負担が軽くなる制度です。
障害者手帳の有無や障害のレベルなどは、各自治体で異なります。
また、受給には所得制限を設けているところも多いため、一定の収入がある方は断られる可能性もあります。
自立支援医療
精神疾患を持つ人が受けられる医療費の助成制度です。
通院や治療にかかる自己負担額はおおむね1割程度とされています。
また、対象となる精神疾患には以下も含まれています。
- うつ病
- 不安障害
- 統合失調症
- 知的障害
- てんかん
- 薬物依存による精神障害 など
特に「重度かつ長期」の治療が必要とされる方だと、さらに毎月の自己負担額が低くなるでしょう。
生活福祉資金貸付制度
就業が困難で、所得の少ない人が利用できる制度です。
低金利かつ無利子でお金を貸してもらえます。
各自治体で条件や貸付金額は異なります。
しかし、どこからもお金を借りられない状態なら、頼ってみるのもよいですね。
障害年金
障害者手帳の有無に関係なく、突然の病気やケガでも支給してもらえる年金制度です。
一定の条件を満たせばどんな方でも、受給対象にしてもらえます。
また、障害年金は受給金の使い道を制限されないのも魅力です。
詳しくは別の記事でお話ししていますので、ぜひお読みください。

ADHDで借金を抱えた人はすぐに弁護士に相談しよう

ADHDで借金を抱えた方は、何よりもまず、借金の返済を優先すべきです。
借金を抱えたままでは、発達障害の治療ともきちんと向き合えなくなってしまいます。
返済活動によるストレスが続けば、さらに別の障害(ASD、うつ、統合失調症など)を誘発してしまう恐れもあります。
加えて、返済が滞ると、焦りからさらに別の借り入れをして、その場しのぎの返済を繰り返す可能性もあるでしょう。(多重債務)
しまいには、どこからもお金を貸してもらえず、闇金(ヤミ金融)に手を出すことに……。

やはり、まずは借金生活から抜け出して生活環境を整えることが重要です。
借金がなくなれば、精神的な負担も軽減されて、発達障害の治療に専念できますよ。
弁護士への相談は浪費癖や借金の解決につながる
障害のあるなしにかかわらず、借金を作った人はひとりで対処すべきではありません。
一番の対処法は「専門家への相談」。
借金の専門家と言えば弁護士ですね。
弁護士は、相談者さまの債務状況を冷静に判断して、最も効率的な解決方法を勧めてくれます。
さらに、弁護士へ相談して債務整理すると、もうひとつ大きなメリットがあります。
返済を止められる
弁護士を通して債務整理手続きすると、弁護士は貸金業者へ「債務整理をこれから始めます」と書かれた書類を送付してくれます。(受任通知と呼ばれる)
受任通知を受け取った貸金業者は、返済の督促も、取り立てもしてはなりません。
そのため、弁護士に依頼するだけで、毎月の返済がストップできてしまうのですよ。

【ADHDで借金】浪費癖は大人こそ注意!返済がつらいときの対処法 まとめ
本記事では、ADHDで借金を抱えた方へ向けて、借金と浪費癖を同時に改善する方法をお伝えいたしました。
ADHDによる浪費癖で借金を作った人がすべきことは債務整理
発達障害は借入が長期になると複数の障害を併発する可能性もある
一人で解決しようと思わず専門家に頼ることが重要
ADHDと借金問題は深く関わっています。
借金問題は障害と同じく、自力では対処が難しいです。
また、借金があると、障害の治療と向き合う時間も減ってしまいます。
浪費癖も借金を解消しないことには抑えられません。
次から次へと借入をして、負債を増やしてしまうでしょう。
まずは借金をきっちり解消し、浪費癖も改善しましょう。
そのためには、勇気を出して弁護士へ相談することが大切です。
弁護士は、借金の解決方法だけでなく、手続きのサポートや浪費癖を再発させないための金銭管理もアドバイスしてくれます。
弁護士と聞くと「怖そう。厳しいことを言われそう」とより不安が高まる相談者さまもいらっしゃるかもしれません。
しかし、心配はご無用です。
イメージしているほど弁護士は怖い人ではありませんし、実際に話しやすい人も多いですよ。
また、法律事務所の多くが、初回の相談を無料で受けていますので、利用して損はありません。
「ADHDの影響でどうしても顔を合わせて話せない」のであれば、電話やメール相談してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。