でもお金がないから依頼できない・・・
このようなことで、お悩みではないですか?
そこで、本記事のポイントはこちらです。
弁護士費用は後払いできます!
そうは言っても、ちゃんと全部支払えるのか、そもそもいくらかかるのか、疑問に思うことが多いかと思います。
という訳でこの記事では、「任意整理にかかる弁護士費用とその支払い方法」を詳しく解説していきますね!
任意整理の弁護士費用はどうやって支払う?

任意整理をした場合、裁判所を介して手続きをする「個人再生」や「自己破産」とは違い、かかるのは法律事務所へ支払う費用のみです。
とは言え、債務整理をするにあたり、そもそも弁護士費用の捻出が難しい人も多いと思います。
そのため、後払いや分割払いという方法を採用しているところもあります。
こういった不安もありますよね。
後述しますが、「法テラス」という公的な機関もありますし、債務整理に強い法律事務所だったら債務者の実状に詳しい人が多いです。
任意整理の場合の弁護士費用とは?

そもそも、弁護士費用はどうやって決まるのでしょうか?
過去に、一部の弁護士による不適切な事件処理・報酬請求を行う事件があり、社会問題化しました。
それを受け、日本弁護士連合会は、2011年に「債務整理事件処理の規律を定める規程」を設け、一部に上限を定めてあります。
次の項目から詳しく紹介していきますね!
弁護士費用の用語と目安
相談料
- 相場は1時間1万円程度。
- 無料で行っているところもある。
- 上限規制はない。
着手金
- 弁護士に依頼した段階で支払うもの。
- 結果が成功でも不成功でも受領する報酬。
- 上限規制はない。
ただし、金額を決めるにあたっての規定は設定されている。
報酬金
- 事件終了時、成功の程度に応じて受ける報酬。
- 全面的な不成功の場合は支払う必要はない。
- 解決報酬金
業者との話し合いが解決したこと自体により発生する報酬金。
原則1社あたり2万円以下。
商工ローンは5万円以下。 - 減額報酬金
元の債権額と実際に支払うことになった金額との差額(減額分)をもとにした報酬金。
減額分の10%以下。 - 過払金報酬金
回収した過払金額をもとにした報酬金。
裁判をしない場合、回収額の20%以下。
裁判をする場合、回収額の25%以下。
(裁判をする場合は訴額に応じた印紙代・切手を用意する必要があるため、その費用も必要になる。)
手数料
- 事務処理にかかる費用。
- 個別手数料は受領禁止。
実費と日当が必要になります。
これらの費用の他に、債務整理の際、貸金業者から裁判を起こされた場合、
実費
- 印紙代、切手代、記録謄写費用など。
日当
- 出張しなければいけない場合の交通費、宿泊費などを含めた報酬。
合計金額が重要!
- 複数の事務所で相談をしてみて、比較検討することも大切。
- 相談の時点でおおよその合計金額を実際に出してもらいましょう。
弁護士費用は免責されない
自動車保険では、弁護士費用を保障してくれるような特約があります。
しかし、債務整理では、弁護士費用を免責されるようなことはありません。
【任意整理】弁護士費用の支払い発生ポイント
ここからは、先ほどご説明した用語を交えて、任意整理手続きの流れと支払うポイントについて解説していきます。

1.弁護士に相談 <相談料>
正式な契約をする前に、複数の法律事務所で相談をしましょう。
無料で行っているところも多いので、疑問や不安などを全て話すことができます。
「どこから借り入れているのか」「借り入れの総額はいくらなのか」の他、現在の収入や手持ちの財産、貸金業者とのこれまでのやり取りなどを正確に把握し、正直に相談することが重要です。
また、無料減額シミュレーターなどを使って、事前にイメージを固めておくと、よりスムースに相談が進みます。
2.弁護士と委任契約をする <着手金>
着手金を無料にしているところもありますが、相場は大体2~5万円程度です。
この手続きをもって、弁護士が代理人となって任意整理の手続きを進めてくれます。
まずは、すぐに弁護士から貸金業者へ受任通知(「代理人として弁護士が任意整理を行います」という通知)を送ります。
この通知を受け取ると、貸金業者は依頼人と直接やり取りできなくなり、借金の取り立てや催促ができなくなります。
着手金の捻出
手持ちのお金が少なくても、受任通知によって貸金業者からの督促が止まれば、その返済に充てていたお金を着手金に回すことができます。
着手金はキャンセル不可
着手金はキャンセルをしても返ってこないので、事前の慎重な弁護士選びが必要です。
弁護士選びのポイント
- 債務整理などの借金問題に関する実績
事務所のホームページで確認したり、弁護士名で検索してみる - 対応の速さ
大きな事務所で在籍している弁護士が多ければ、それだけ迅速に対応してもらえる可能性が高くなる - 支払い方法
後払い、分割払いなどに対応しているかどうか - 営業時間
営業終了は何時なのか、土日祝日は対応してくれるのかどうか - 連絡を取り合う手段
進捗状況を定期的に連絡してもらえるよう、メールか電話か、方法を確認しておく - 弁護士会からの懲戒を受けていないか
弁護士懲戒処分検索センターで検索してみる - 任意整理後のアフターフォローがあるか
任意整理後は数年かけて返済していくため、状況が変わって返済が難しくなる場合もある。再度の相談、新たなトラブルについても取り扱ってくれるか確認しておく
「契約できた~!良かった~!」と一安心する気持ちも分かりますが、契約しただけではまだ何も始まっていません。
着手金の支払い期限は事務所によって違いますが、支払いがあるまで貸金業者との交渉を始めないところもあるので注意しましょう。
3.任意整理案の作成・貸金業者との交渉
任意整理案というのは、簡単に言えば返済プランです。
その返済プランを作るために、弁護士は以下のようなことを調査します。
- 借金残高の調査
貸金業者に取引履歴の開示請求をし、それをもとに引き直し計算をして正確な額を確認する
違法な貸し付けはなかったか、過払金はないか
時効が成立している借金はないか
- 周囲からの資金援助の有無
親兄弟、親戚などから援助が得られないか
- 支払い方法
一括払いか、分割払いか(返済期間は大体3年、長くて5年)
過払い金については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

4.交渉・和解 <各種報酬金>
依頼人と貸金業者の間で和解が成立したら、合意書(和解書)という書面を取り交わし、法的に和解契約を締結します。
和解成立までにかかる期間は、大体2~6ヶ月ほどです。
5.返済開始
いよいよ返済が開始されます。
返済が滞ってしまうと、和解の効力が失われ、一括で支払わなければならなく場合もあります。
数年にわたって返済していると、状況が変わり、返済が苦しくなることもあるかもしれません。
そういう時にも、きちんと弁護士に相談してみましょう。
任意整理のメリット・デメリットはこちらの記事でも詳しく説明しています。
任意整理をお考えなら、参考にしてください。

任意整理にかかる費用が支払えない時の対処法

複数の弁護士に会い、何度も相談し、そして「この弁護士にお願いする!」と決めるまでにもお金はかかります。
決めてからも、任意整理手続きの流れの中で、弁護士にお金を支払う場面はいくつかありました。
借金問題を抱える人は、借金の返済以外に割くお金がないことを、弁護士も理解しています。
相談費用が支払えない場合
では、1番最初にかかる費用である、「相談費用」が支払えない場合の対処法を紹介していきます。
無料相談を利用する
無料で相談に乗ってくれる法律事務所を探してみましょう。
メールや電話での相談も行っているところなら、初めてでも気軽に相談できます。
法テラスを利用する
法テラスは国によって設立された機関で、定められた条件を満たす人なら誰でも利用できるものです。
法テラスは、平成18年4月10日に、国によって設立された「日本司法支援センター」という機関の通称です。
法的なトラブルが起こった場合、「誰に相談すればいいのか?」「どうやったら解決するのか?」などを、案内してくれます。
また、「経済的な理由で弁護士に相談できない」「近くに弁護士事務所がない」といった事情がある人にも、司法を使えるように!といった理念で設立されました。
法テラスでは民事法律扶助という業務を行っています。
この中の法律相談援助という制度で、無料で法律相談を受けられるのです。
国が行っているので、民間の法律事務所より安心して利用できるというメリットがあります。
弁護士費用が支払えない場合
次に、弁護士費用が支払えない場合の対処法を紹介していきます。
分割払い、後払いに対応しているところを探す
相談におとずれた事務所にはどんな支払い方法があるか確認し、自分が現在置かれている状況をきちんと相談してみましょう。
分割払いや後払いに対応していないところでも、相談内容次第では応じてくれる可能性もあります。
返済費用を弁護士費用に回す
弁護士を代理人として立てると、貸金業者からの督促が止まり、返済を一旦ストップすることができます。
その返済に充てていたお金を、弁護士費用に回せることがあります。
また、過払い金請求ができる場合、その過払い金を弁護士費用に回せるかもしれません。
法テラスを利用する
前述した制度以外に、代理援助という制度があります。
この制度は、借金問題を抱えているが弁護士費用を払えない人のために、弁護士費用を肩代わりしてくれるものです。
肩代わりしてもらったら、法テラスに毎月5千円~1万円程度を返済していくことになります。
法テラスを利用するメリットとデメリット
法テラスは国が行っているので、身元はハッキリしていますが、何事にもメリットとデメリットがつきものです。
ここでは、法テラスのメリット・デメリットを詳しく紹介していきます。
メリット
- 無料相談ができる(3回まで)
- 弁護士費用が安くなる
- 弁護士費用の毎月の返済のハードルが低い
法テラスに登録している弁護士は、借金問題を抱える人に対して理解があります。
なので、弁護士費用のゆとりある返済、弁護士報酬の良心的な設定などを行っています。
デメリット
- 利用するには条件がある
- 担当弁護士を選べないこともある
- 貸金業者からの督促が止まるまで時間がある
利用するためには、法テラスが定める条件を満たしていないといけません。
(1) 収入等が一定額以下であること
以下の資力基準をご覧ください。(2) 勝訴の見込みがないとは言えないこと
和解、調停、示談等により紛争解決の見込みがあるもの、自己破産の免責見込みのあるものは、(2)に含みます。(3) 民事法律扶助の趣旨に適すること
報復的感情を満たすだけや宣伝のためといった場合、または権利濫用的な訴訟の場合などは援助できません。
引用:法テラス・利用条件
担当弁護士については、どう依頼するかによって状況が変わってきます。
法テラスに弁護士を探してもらう場合、ほとんど選べないと言って良いでしょう。
しかし、依頼したい弁護士が法テラスに登録している場合は、利用できます。
つまり、自分で弁護士を選び、法テラスも併せて利用することができるということです。
分からなければ、電話で直接たずねてみましょう。
督促が止まるまで時間がかかるのは、法テラスの利用許可がおりるまで時間がかかるからです。
誰でも督促を即日ストップしてもらい、精神的に楽になりたいところですね。
これは、法テラスに所属する全ての弁護士に共通することではないので、気になる人は「受任通知はいつ頃してもらえるのでしょうか?」と事前に聞いておきましょう。
もし弁護士費用の支払いを怠ってしまったら
弁護士費用の支払いを怠ったり、何度も滞納したりすると、弁護士がその任意整理から降りてしまうかもしれません。
もし辞任されてしまったら、貸金業者との和解の話が白紙になったり、督促が再開することになります。
そうならないように、弁護士費用についても無理のない計画を立てましょう。
任意整理の弁護士費用が支払えない!後払いしたい時の対処法は?まとめ
今回は任意整理手続きの流れ、その際に支払うお金、弁護士費用について紹介してきました。
また、それらを一括で払えない場合や、後払いなどの対処法もご紹介しました。
改めてこの記事でお伝えしたことは以下です。
相談費用が支払えない場合は、無料相談を行っている法律事務所で相談する
弁護士費用には着手金と報酬金があり、それらの後払いに対応しているところもある
法テラスを利用し、弁護士費用を肩代わりしてもらうこともできる
借金問題を抱えている時に、弁護士費用を捻出することは、難しい場合が多いです。
弁護士費用に悩み、任意整理を諦めてしまう人もいますが、借金問題は放置していても解決しません。
最近では無料相談を行っているところも多いので、まずは弁護士に相談するのをおすすめします。
そして、今の自分に合った返済計画を一緒に考えてもらい、借金問題解決の第一歩を踏み出しましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。