借金のせいで、嬉しいはずの妊娠・出産が不安ばかりに……とてもつらいですね。
確かに借金には返済義務はありますが、それによって妊娠や出産を諦める必要はありません。
そこで本記事のポイントはこちら。
- 妊娠・出産にかかる費用の多くは公的支援があります
- 借金を整理するなら産前がおすすめ!
公的支援を踏まえた上で、妊娠・出産にかかる費用もお伝えしますね。
そうすれば安心して出産に臨めますよ!
借金地獄での妊娠は、債務整理で不安をなくそう!

借金を抱えた中での妊娠……不安でいっぱいですよね。
- 妊娠により働けなくなったら、どうやって借金を返そうか
- 返済ができなくなったら夫や家族に借金がバレてしまう
- 妊婦健診で追加検査がありお金が足りなかった!
- 産んでも育てるだけのお金がない
こんな悩みをかかえていませんか?
結論から言うと、借金を返すあてがない状況ならば弁護士などの専門家を頼って債務整理をしましょう。
債務整理とは、合法的に借金の減額や免除をする手続きです。
後で詳しく説明しますが、返済の見通しのない借金を抱えたまま出産に臨むのは、母子両方の心と体の健康・安全面からおすすめできません。
債務整理の種類と特徴
債務整理には大きく分けて「任意整理」「個人再生(民事再生)」「自己破産」の3つがあります。
各手続きの特徴は次のとおりです。
種類 | 内容 |
任意整理 | 弁護士・司法書士などが債務者に代わって貸金業者・銀行などの債権者と直接交渉し、利息の減少・返済期日を先延ばししてもらう方法。
手続きも簡略で、家族や職場にもバレにくい。 |
個人再生 (民事再生) |
債権者との直接交渉ではなく裁判所が間に入り、借金を大幅に減額してもらう方法。
借金は元の総額から、最大80%〜90%までカットできる。資産も手放さずに手続きができるのが魅力。 |
自己破産 |
裁判所に借金返済の義務を帳消しにしてもらう方法。 資産はほぼ失うが、返済の必要がなくなるため、借金総額が高額な方にはおすすめ。 また、収入がなく生活が困難な人は、自己破産になる場合が多い。 |
債務整理の判断目安はこちらです。

*2010年以前の借金については、過払い金返還請求が可能な場合があります。
妊娠中の債務整理なら任意整理がおすすめ
出産前に借金完済の見通しを立てられれば、安心して赤ちゃんを迎えられますよね。
とは言え、妊娠中の身体的・精神的負担は最小限に抑えたいところです。
そこで妊娠中におすすめの債務整理は任意整理です。
- 任意整理中は借金を返さなくて良い
- 早めに手続きを開始すれば、出産前までに終わらせられる
- 手続きは弁護士にお任せできる
- 収入が少なくても手続きできる
ひとつずつ見ていきましょう。
任意整理中は借金を返さなくて良い
債務整理の依頼を受けた弁護士はまず、債権者に「これから任意整理を始めますよ」という受任通知を送ります。
この通知により、債務者(相談者さま)は、任意整理の手続き中は借金返済しなくていいのです。
もちろん取立ても禁止されます。
借金のことを考えずに済むので精神的に安定しますし、少し余裕が出たお金を妊娠・出産にかかるお金や弁護士費用に充てることが可能です。
弁護士費用がないからと相談をためらっている方は、ぜひこちらの記事をご覧くださいね。

早めに手続きを開始すれば、出産前までに終わらせられる
任意整理は、裁判所を通さずに弁護士が債権者に直接交渉をする手続きです。
そのため手続きに必要な書類も少なく済みますし、早ければ2カ月ほどで解決します。
当然、弁護士費用も安いです。
手続きは弁護士にお任せできる
任意整理の手続きを弁護士などの専門家に依頼すると、相談者さまがやることはほとんど何もありません。
自分が「どこから」「いくら借りているか」「月の返済額」だけわかるようにまとめて相談に行くとスムーズです。
収入が少なくても手続きできる
任意整理は借金を減額する制度で、帳消しになるわけではありません。
弁護士と債権者の間で、相談者さまが借金返済が可能な額での借金減額交渉がまとまったら、また返済が再開します。
そのため、安定した収入が必要です。
しかし、パートなどの少ない収入であっても大丈夫な場合が多いです。
出産直後は働けないので、働ける今のうちに手続きをしましょう。
無収入なら自己破産が借金地獄からの脱出ルート
- 借金の額が大きすぎて、利息が減らされたくらいではとても返し切れない
- 今も今後も安定した収入が見込めない
このような場合は、任意整理を利用できません。
自己破産が借金地獄からの脱出ルートです。
借金地獄での妊娠!出産前のお金の不安はどうする?

妊娠・出産には確かにお金がかかります。
しかし、妊産婦が受けられる公的支援はいろいろとあります。
ここでは、妊娠・出産にかかる費用や、受けられる公的支援についてご説明します。
じっくり読み、ご自分に必要な支援をきちんと受けてくださいね。
大まかに、妊娠中に受けられる公的支援や手続き、出費は次のとおりです。
- 妊娠に気づき病院に行く
- 母子手帳・妊婦健診の受診券をもらいに保健所に行く
- 妊婦健診の受診券を使って健診を受ける
- 出産育児一時金の申請をするマタニティ・ベビー用品の購入
- (会社員の場合)出産手当金の申請をする
妊娠に気づき病院に行く
妊娠がわかったら、すぐに産婦人科へ行きましょう。
産科が減っていることで、妊娠がわかってすぐに出産の予約を入れないと、出産自体ができない病院も多いのです。
また、妊娠に関する費用は保険が適応されず全額自己負担です。
初診時には1万円程度、その後の検査で数万円はお金がかかると思っていた方がいいでしょう。
病院によっては、分娩予約金として10万円程度の支払いを求められることもあります。
残念ながら次に紹介する「妊婦健診にかかるお金の公的支援」は、母子手帳を取得してから初めて受けられる制度なのです。
まずはとにかく住んでいる自治体に、「妊娠したようだが病院にかかるお金がない」と相談に行きましょう。
自治体によっては先に母子手帳を発行してくれたり、費用が安い病院を紹介してくれたりと柔軟に対応してくれるところもあります。
「怖くて一歩踏み出せない」という場合は、まずは全国妊娠SOSネットワークへ相談を頼ってみてはいかがでしょうか。
お金がない、住所がない、産んでも育てられない……妊娠に関するさまざまな相談に乗ってくれる窓口です。
悩んでいる間にも赤ちゃんはどんどん大きくなりますし、検査薬で陽性反応が出たとしても子宮外妊娠などの異常がある場合もあります。
ママと赤ちゃん、両方のために早めに病院にかかることが大切です。
母子手帳・妊婦健診の受診券をもらいに保健所に行く
一般的に、病院で赤ちゃんの心拍が確認できた6〜10週頃に「母子手帳をもらってきてくださいね」と言われます。
病院で渡された妊娠届けを持って市町村の窓口に行くと「母子手帳」と「妊婦健診助成券」をもらうことができ、その後の妊婦健診はその受診券を使えます。
妊婦健診の受診券の額は市町村によって違うので、これから引っ越しをする場合は調べることをおすすめします。
平成30年の厚生労働省による調査では、最も多い石川県では137,813円分の助成があったのに対し、最も少ない神奈川県では71,417円でした。
妊婦健診の受診券を使って健診を受ける
無事に母子手帳と妊婦健診の受診券をもらえたら、出産までにかかる費用は一気に楽になります。
1回の負担額は0〜数千円と、グッと減るので助かります。
母子手帳をもらってから出産までの間に、14回程度病院に通います。
- 〜妊娠23週:4週間に1回
- 妊娠24週〜35週:2週間に1回
- 妊娠36週〜出産:1週間に1回
病院によっては出産までほぼ自己負担なしというところもありますので、病院選びが大切です。
ただし、妊婦健診以外の体調不良などで病院にかかる場合には医療費がかかります。
妊娠中は普段よりも体調を崩しやすいので、医療費はかかると思っていた方がいいでしょう。
出産育児一時金の申請をする
妊娠4カ月(85日以上)で出産(死産・流産・人工妊娠中絶を含む)をした場合には、出産育児一時金が支払われます。
子ども1人あたり42万円で、双子なら84万円です。
出産育児一時金は、妊婦または夫の健康保険組合もしくは各自治体から直接病院に支払われます。
そのため、出産の入院に関する支払いは「かかった費用ー42万円」なので多くても10万円程度の自己負担です。
(出産予約金を払っていた場合には、退院時の支払いがないこともあります。)
出産育児一時金の申請手続きは簡単で、病院から渡された書類に記入をするだけです。
もし国民健康保険の保険料を支払っていない方は、自治体に相談しましょう。
また、どうしてもお金がない方は、児童福祉法22条の規定に基づく支援(助産施設、婦人保護施設や母子生活支援施設の利用)が受けられる可能性があります。
大切なのは「お金がない」というSOSを病院や自治体に相談することです。
マタニティ・ベビー用品の購入
おなかが大きくなってくると今まで着ていた洋服が着られなくなってきますし、赤ちゃんが産まれたらベビー用品をそろえなくてはなりません。
友人からおさがりをもらうなどの工夫して、ここにはなるべくお金をかけずにいきたいですね。
マタニティやベビー用品はどれも使用する期間が短いので、比較的きれいな状態のものがリサイクルショップやフリマアプリで多く出回っています。
(会社員の場合)出産手当金の申請をする
会社員の妊婦が産休を取得する場合、健康保険から出産手当金を受け取れます。
出産育児一時金とは別の制度で、出産で仕事を休むことに対する補償です。
出産手当金が受け取れる期間は、出産前42日から出産後56日までで、受け取れる額は次のとおりです。
出産手当金=標準報酬日額÷30日× 2/3
*標準日額報酬の計算はとても複雑なので、会社に問い合わせるのが確実です
また、産休期間中は健康保険や厚生年金保険の保険料納付が免除されるのでとても助かりますよ!
借金地獄での妊娠!出産後のお金の不安はどうする?

出産後は慌ただしい育児が始まりますが、手続きをきちんとすることでもらえるお金、払わなくて済むお金がありますのでご確認ください。
- 児童手当
- (ひとり親の場合)児童扶養手当
- 乳幼児医療費助成制度
- (国民年金に加入している場合)保険料の免除
- (会社員の場合)育児休業給付金
児童手当
児童手当は、0歳から中学3年生(15歳になってから最初の3月31日まで)の子どもを育てている保護者に支給されます。
支給額は次のとおりです。
子どもの年齢 | 支給額(月額) |
3歳未満 | 15,000円 |
3歳〜小学校卒業まで | 第1子・第2子10,000円 第3子15,000円 |
中学生 | 10,000円 |
児童手当は、4カ月分まとめて年3回振り込まれます。
(ひとり親の場合)児童扶養手当
未婚・離婚を問わず「ひとり親」であれば児童扶養手当の支給対象です。
もらえる児童扶養手当の額は、所得に応じて変わります(全部〜一部またはなし)し、物価変動に応じても変わります。
公的年金を受給している場合には、その差額のみ受給が可能です。
支給額は次のとおりです(令和3年3月時点)。
全部支給(月額) | 一部支給(月額) | |
第1子 | 43,160円円 | 43,150円から 10,180円 |
第2子 | 10,190円 | 10,180円から 5,100円 |
第3子以降 | 6,110円 | 6,100円から 3,060円 |
児童扶養手当は、2カ月ごとに振り込まれます。
乳幼児医療費助成制度
乳幼児医療費助成制度とは、乳幼児の医療費(入院・通院)を助成する制度で、各自治体がそれぞれの基準でおこなっています。
住む場所によって受けられる助成内容が変わってくるので自分が住んでいる自治体のホームページで確認しましょう。
例えば自治体によって以下のような点が異なります。
- 助成内容:医療費の全額無料化、もしくは軽減(一部自己負担)
- 助成範囲:通院・入院の両方を助成、もしくは通院のみ助成
- 助成方式:窓口での支払いが不要・軽減(現物給付)、もしくはいったん支払った上で後日申請(償還払い)
- 年齢:3歳未満〜18歳になった年度末まで
- 所得制限:「あり」、もしくは「なし」
償還払いの場合は一度現金を支払わなくてはならないので、手持ちのお金が必要です。
(国民年金に加入している場合)保険料の免除
相談者さまが国民年金に加入している場合、産前産後期間は国民年金保険料の支払い免除が受けられます。
免除を受けられる期間は、出産予定日または出産日の前月から4カ月間(多胎の場合は出産日または出産予定日の3カ月前から6カ月間)です。
免除期間は保険料を支払わなくても未納にならないので安心ですね。
免除の手続きは出産予定日の6カ月前からできますし、産後でも可能です。
(会社員の場合)育児休業給付金
会社員の相談者さまが育休を取得する場合、産休(出産手当金が受給できる期間)が終わったら育児休業給付金を受給できます。
育児休業給付金の受給は以下のとおりです。
- 育休開始〜180日:休業開始前賃金の67%
- 181〜子どもが満1歳になるまで:休業開始前賃金の50%
- 待機児童になるなど一定の要件を満たせば最長2歳まで延長できる
50%と聞くとすごく少ない気がしますが、健康保険や厚生年金保険の保険料納付が免除されるので「意外ともらえる」と感じる方が多いようです。
借金地獄での出産は不安ばかり!出産前に解決しよう!

妊娠・出産・子育ては、もともと健康な人であっても大変です。
それなのに借金問題を抱えていたら、母子とも心も体も不安定になりかねません。
妊娠がわかった今こそ、借金問題への解決へ一歩踏み出しましょう。
このまま借金を放置してしまった場合に、どんな未来が相談者さまを待っているかご説明します。
出産費用が払えない
先ほどご紹介したように、妊娠や出産に関しては国や自治体からさまざまな援助があります。
とは言え、それらはかかる費用の全てをまかなえるわけではありません。
ママや赤ちゃんに何らかのトラブルがあれば追加で検査をしますし、それらは自己負担での支払いが必要です。
しかし、お金が支払えないからと妊婦健診を受けずにいたら、妊娠中にママや赤ちゃんの体に異常が起きていても気づけません。
妊娠中は血圧や血糖値が上がりやすいなど妊娠前の体とは全く違うので、妊婦健診は必ず受けましょう。
産院を決めておかないと、自宅出産や飛び込み出産になってしまい母子ともに命の危険にさらされることになりかねません。
妊娠したら後戻りはできませんし、人工妊娠中絶できる期間も限られています。
借金が妊娠生活を圧迫しているのなら、今すぐに弁護士に相談して借金を解決しましょう。
産前産後でも、借金の督促は待ってくれない
産前の時点で借金の返済が難しいようであれば、産後に支払えるようになる可能性は限りなく低いですよね。
出産直後の労働は法律で禁止されていますし、そもそも出産によるダメージで産前と同じように働ける体ではありません。
ロクに寝てくれない、3時間おきに授乳が必要な赤ちゃんがいたら働きに出ること自体が難しいでしょう。
当然、滞納すれば督促を受けるでしょうし、放置したら訴えられ財産の差し押さえがされてしまいます。
そんな中で、安心して赤ちゃんを育てることはできませんよね。
経済的な不安は産後うつを招きやすい
妊娠・出産によるホルモンバランスの変化に加え、環境が大きく変わることによって、産後の女性の約10%が産後うつになると言われています。
精神疾患の既往歴や、パートナーなど周りからのサポート不足、時間的・心理的な余裕がなかったり、経済的問題・住居環境など何らかの問題を抱えていたり、新しい生活に適応しきれなかった場合などに産後うつが生じやすくなります。
経済的な不安は産後うつのリスクとなりえるので、借金問題はやはり出産前に解決したいところです。
まずは弁護士の無料相談を利用しよう
弁護士に債務整理を依頼すればその時点から手続き終了までは返済活動をする必要がなくなります。
一時的に金銭的に楽になるので、弁護士費用だけでなく、妊婦健診・出産費用の支払い、生活費として使うことができます。
債務整理によって月々無理のない返済額までに借金を減額できたら、安心して出産に臨めるのではないでしょうか。
まずは無料相談を利用して、相談者さまの現状を相談してみることをおすすめします。
日本全国から無料相談ができるので、妊娠中で動けなくても相談できます。
匿名での相談も可能なので、明るい未来へ向けてまずは一歩踏み出してみませんか?

借金の原因を解決することも大切
相談者さまが借金をしてしまった理由は何でしょうか?
現状の借金問題は、債務整理や公的支援を利用して解決することができたとしても、それと同時に根本的な原因の解決が必要です。
家計の見直し
生活費が足りずに借金をした場合、収入と支出のバランスを見直しが必要です。
そうでなければ、いつかまた借金地獄におちいってしまいます。
出産直後は働けないことを考慮した上で世帯収入を増やせるか、相談者さまと配偶者さまそれぞれについて考えてみましょう。
収入を増やすと同時に、支出を減らしてくださいね。
家計の見直し方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

病気や失業など、努力だけではどうしようもない場合には、生活保護を含めた行政支援を受けられる可能性があります。
詳しくは、各自治体の相談窓口へ行くことをおすすめします。
依存症なら治療が必要
パチンコ依存症や買い物依存症……いわゆる依存症でのお金の浪費による借金は、個人の努力だけでは立て直しが難しいです。
お金のプロに債務整理をお願いするように、依存症の治療もプロ(医師)を頼りましょう。

借金地獄の中で妊娠!お金の不安を解消して出産・育児に臨むには? まとめ
借金地獄のままでの妊娠・出産は、母子ともに身体的・精神的負担が大きいことは間違いありません。
借金を整理するながら出産前に債務整理をするのがおすすめ
任意整理なら、弁護士に一任できる上に最短で2カ月で手続きを終えられる
妊婦健診に行くお金がない場合は、早めに自治体に相談に行こう
借金を抱えた中での妊娠は、不安を周囲に打ち明けたり相談したりするのがためらわれますよね。
相談者さまの借金に対する不安に寄り添い、解消する手段を現実的に教えてくれるのは、やはり専門家だと思います。
相談のハードルはとても高く感じるかもしれませんが、多くの弁護士事務所では匿名・無料での相談が可能です。
悩んでいるうちにあっという間に出産の日を迎え、ますます身動きが取れなくなってしまいます。
この記事を読んだ今こそ、どうか相談者さまと赤ちゃんの明るい未来のために一歩踏み出してみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。