海外に高飛びすれば、借金は踏み倒せると聞いたんだけど本当なのかな?
借金生活が長続きすると、疲弊してしまい高飛びを考えてしまう人も少なくありません。
しかし、高飛び(海外逃亡)で時効の成立を目指すのは無謀です。
そこで、本記事のポイントはこちら。
借金を高飛びで踏み倒すのが難しい理由と海外逃亡のリスクを解説します
高飛びしなくても借金を減らせる方法がわかりますので、ぜひ最後までお読みください。
高飛びで借金の時効を成立させるのは不可能

高飛びすれば、借金のことを誰にも責められず自由に暮らせるかも。
借金を帳消しにするためには、海外へ逃げて時効を迎えるのを待つしかない。
あまりにもつらい借金生活から、このように考える相談者さまも多いでしょう。
しかし、高飛びで借金の時効成立を目指すのは不可能です。
逃亡先でまともな生活が送れずすぐに帰国するハメになったり、借金をそもそも帳消しにしてもらえなかったり、と現在より過酷な状況に陥る可能性もあるでしょう。
この項目で、高飛びが現実的でない理由を詳しく見ていきます。
海外へ逃げても時効はリセットされる
高飛びしても、借金の返済義務はなくなりません。
まず、時効を成立させるには最低5年間「逃げ続ける」必要があります。
逃げ続けるとは「最終取引日から一切の返済活動をしていない」かつ「貸金業者からの督促を受けていない」状態が満たされることです。
しかし、貸金業者からの督促が非常にネックで、多くの業者が5年間たつ前に法的手段を取るでしょう。
法的手段というのは貸金業者が裁判所に訴えることを指します。
そして、一度でも裁判を起こせば、これまでの時効カウントはリセットされてしまうのです。
裁判が終わると、また0日からのカウントとなり、今まで逃げていた日々は水の泡に。
さらに、カウントをリセットされるだけでなく、裁判所からは時効期限を10年間に変更されてしまいます。
相談者さまが「時効の援用」という手続きをしないと、いくら逃げても借金の返済義務はそのままです。
貸金業者に「時効を迎えたため、もう返済しない」と宣言すること。
口頭でも成り立つが、トラブル防止のため、公的に記録を残せる内容証明郵便を利用しておこなうケースが多い。
海外逃亡中に援用手続きをするのは困難ですし、自分の裁判情報を誰にも所在を知られずにひっそりと手に入れるのは、不可能とも言えるでしょう。
海外逃亡には高額な費用がかかる
海外へ高飛びすると決めても、その気持ちだけでは実現するのが難しいですよね。
海外へ行くには多額の費用がかかります。
海外渡航にかかる費用
- パスポート取得費用
- ビザの取得費用
- 航空券
- 引っ越しの荷物輸送にかかる費用
- 現地の言語がわからなければ語学参考書
- 現地での生活費用
借金を抱えていない人でも、海外で長期滞在するには入念な準備と潤沢な資金が必要です。
しかし、借金返済に追われて心身の余裕がない人に、果たして十分な資金調達ができるでしょうか。
日本よりも物価が低い国をえらんで生活すれば、最低限度の暮らしは送れるかもしれません。
しかし、物価が低い国では治安も心配ですし、まともな勤務先が見つからない可能性もあります。
おまけに言語も分からないとなると、現地で家を探したり、仕事の面接を受けたりすることもままならないため、言語学習費用がさらに上乗せされるでしょう。
相談者さまが渡航費用をなんとか用意できたとしても、いずれは生活費が工面できなくなり、厳しい環境に追い込まれることが予想されます。
高飛びではなく債務整理で借金は解決を目指せる
借金を高飛びで解決するのは不可能と言えます。
リスクが多く、時間もかかる時効成立を狙うくらいなら、法的な借金減額方法である「債務整理」をおこなって、早期解決を目指したほうが良いです。
債務整理には、4つの手続きがあります。
- 任意整理
- 過払い金請求
- 個人再生(民事再生)
- 自己破産
※過払い金調査は、ほかの債務整理方法を進めるうえで一緒におこなわれる場合がある。
各手続きの概要は以下の表をご覧ください。
債務整理の種類
種類 | 手続きの概要 |
任意整理 |
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過払い金請求 |
|
個人再生(民事再生) |
|
自己破産 |
|
債務整理で、ほとんどの借金問題は解消できると言われています。
どの方法が自分に適しているかは、債務状況や現在の保有資産・給与の有無によってさまざまです。
そのため、どの方法で借金を解消できるかは、弁護士に相談して客観的に判断してもらうと良いでしょう。
債務整理は、弁護士に依頼して手続きを代行してもらうのが一般的です。
個人でも手続き自体は可能ですが、専門的な書類を用意しなくてはなりませんし、裁判所や貸金業者とのやり取りも発生します。
法律に詳しくない方が自力で手続きするのは、困難です。
そのため、債務整理する場合には、法律事務所を利用するのが良いでしょう。
そして、弁護士に依頼するだけでもうひとつ大きな恩恵を受けられます。
- 貸金業者から借金の督促を受けない
- 手続き中は返済しなくてOK
弁護士へ依頼すると、弁護士は貸金業者へ「債務整理の開始を知らせる書類(受任通知)」を送付してくれます。
この書類には法的拘束力があり、受け取った側は一切の督促活動が禁止されるのです。
つまり、苦しい返済を一時的にストップさせられます。
相談者さまは、返済がつらいから高飛びを考えているはずです。
返済しなくても良いのなら、高飛びの必要はありませんよね。
なかには「弁護士費用が不安」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、高飛びにかかる費用と比べれば、弁護士費用ははるかに安いため、しっかり支払えますよ。

東京ロータス法律事務所さんでは、債務整理の実績が多く、借金問題に強い弁護士さんが在籍しています。
まだ債務整理を検討しようか迷っている段階でも大丈夫です。
もちろん手続きは強制されないので、良かったら無料相談で借金の解決方法を聞いてみてくださいね。

借金地獄に耐えられず高飛びした人の末路

過酷な借金返済に追われて高飛びした人にどんな未来が待っているか知っていますか?
逃げるのは決して簡単ではありません。
ここでは、もし海外逃亡をえらんだ場合に、相談者さまが経験するかもしれない危険なできごとを解説いたします。
遅延損害金で借金総額が増える
大前提として、返済から逃げても借金はなくなりません。
相談者さまが海外に逃げている間にも、滞納による遅延損害金はどんどん増えていきます。
自宅に不在だとしても、貸金業者は実家や職場に電話を何度もかけてきますし、督促状も送付してくるでしょう。
海外逃亡中は振り込みもままならないでしょうから、滞納期間は次第に長くなっていきます。
遅延損害金の利率は20%程度が一般的です。
数字だけ見ると少ないと感じるかもしれませんが、長期になれば話は変わります。
遅延損害金が、もともとの借入額を上回るほどの金額に膨れ上がっている可能性もある、と知っておきましょう。
ブラックリスト登録でまともな海外生活を送れない
滞納期間が3カ月以上になると、滞納している情報が信用情報機関に登録されるのです。
貸金業者や銀行などの金融機関が加盟する機関。
債務者の信用情報(契約・債務情報)を管理している。
借金を滞納したという事実が信用情報機関に登録されることをブラックリスト登録と呼びます。
ブラックリスト登録されると、クレジットカードを利用停止にされたり、新規の契約・借入も取引先から断られたり、と生活に支障をきたしはじめるでしょう。
海外滞在中にクレジットカードを止められたとなれば、現地での買い物で不便が生じることは間違いありません。
また、ブラックリスト登録は解除まで5年〜10年は続きますので、一時帰国したとしても現金以外での決済は困難です。
もし相談者さまにご家族がいるのなら、高飛びの有無に限らず、マイホームを購入したり、子供の学資ローンや保険に入ったりといった長期契約のローンを検討する機会もありますよね。
残念ながら、そういったローン契約でも審査に落ちてしまいます。
ブラックリスト登録のせいで、家族の人生を壊すことだって考えられるのですよ。
国内で夜逃げしても過酷な生活が待っている
高飛びしてもしなくても、借金から逃げたら過酷な生活が待っているだけです。
冒頭でもお話しした通り、海外逃亡や夜逃げして時効を成立させるのは不可能。
時効がリセットされる問題もありますが、貸金業者は、滞納している契約者の居場所を特定する権利を持っているため、逃げてもあまり意味はないのです。
また、「逃げる=住所を持たない」ことですから、健康保険証も使えませんし、雇用先が決まっても住民票の提出ができません。
住所がないと、自治体の支援制度である生活保護も利用できませんので、生活水準はうんと低くなります。
国内で夜逃げする人が抱える問題については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

高飛びしても借金問題は悪化するだけです。
時効の成立を目指すのは現実的ではありません。
高飛びすることであらたに発生する問題

借金がつらくて高飛びした人の末路は、とても深刻ですよね。
さらに、高飛びが原因でこれまでにはなかった問題があらたに増えてしまうのです。
連帯保証人への影響
相談者さまが抱えている借金には連帯保証人がいらっしゃいますか?
実は、相談者さまが高飛びしてしまうと、連帯保証人に返済義務が移行します。
また、契約時には相談者さまを「この人なら大丈夫だ」と信用して借金の保証人になってくれたはず。
相談者さまが高飛びを検討することで、連帯保証人の優しい思いを踏みにじる行為につながってしまうのです。
保証人の人生まで狂わせる問題が発生する、とまずは知っておきましょう。
担保にしていた資産を失う
次に、連帯保証人ではなく、別の資産を担保として貸金業者と契約していた場合には、当然ながらその担保を失います。
担保には、株や国債・ゴルフの会員権もあるでしょうし、住居や土地を入れている場合もありますよね。
貸金業者は、契約者が高飛びして不在であっても、これらの担保を回収することが可能です。
つまり、滞納が続けば、知らない間に大切な資産を失う事態に追い込まれるでしょう。
帰国後の生活がさらに困難になる
そして、なんとか無事に時効を迎えて日本に帰国できたとしても、日本での生活は今まで通りとはいきません。
海外逃亡中に、借金の滞納をした事実がブラックリスト登録されてしまいます。
登録は5年〜10年は続きますので、帰国してもその状況は変わらないでしょう。
つまり、帰国後の生活費を借入でまかなおうと思っても、お金を貸してくれる業者はいません。
クレジットカードも使えないままですし、賃貸契約も難しいため、新居を探すのも大変です。
現時点で保有している現金が尽きたら、生活が破綻します。
借金が理由で高飛びしても時効成立は望めない

借金がどんなにつらくても、高飛びや夜逃げを検討するのはやめましょう。
しかし、そうなるとお金を貸してくれる「闇金」に頼りたくなる方もいらっしゃるかもしれません。
闇金に手を出しても状況は変わりません。
闇金なら高飛びや夜逃げの必要なし
返済がまわらなくなってくると、闇金に手を出してしまい、督促に耐えられずまた「逃げたい」気持ちが芽生えてきます。
しかし、闇金(ヤミ金融)は法律を無視して活動する違法業者です。
違法活動する業者から借りたお金は返済しなくても良いのですよ。
もちろん闇金はそれを理解してうえで、相談者さまに引き続き激しい取り立てをしてくるでしょう。
それでも、闇金から逃げるために高飛びや夜逃げをする必要はありません。
そして、闇金業者の対応は逃げなくても良いとは言え、相談者さまひとりでは無理です。
弁護士などの専門家へ助けてを求めて、協力してもらいましょう。
闇金業者は弁護士には弱いため、これまでの態度も一変して問題解消につながるかもしれません。

\闇金に強い法律事務所に相談/
今から弁護士に相談すればまだ手が打てるかも
借金を高飛びで解消しようと考える前に、弁護士に頼って法的な解決を目指したほうが良いです。
債務整理は、国が借金に苦しむ人のために作った救済制度ですので、高飛びよりもリスクが少ないですし、安全な方法で借金の減額を見込めます。
どの債務整理方法を利用しても、現状の債務状況は改善されるでしょう。
しかし、滞納が長期間に及んでいるにもかかわらず、逃げることだけ考えて放置していると、最も簡単な方法である任意整理では対処できなくなります。
たとえば、自己破産しか選択肢がない状態となると、周囲にも借金がバレてしまいますし、預貯金や家も失ってしまうのです。
早い段階で弁護士に相談し債務整理を検討することで、デメリットの少ない任意整理での早期解決を目指せます。
任意整理であれば、身内や職場にも知られにくいうえに、手続きも2カ月程度と短期なため、相談者さまの負担も少ないでしょう。
まだ十分に手が打てる状態なのに、相談に行かないのはもったいないです。
弁護士に相談しただけで「不安が一気に軽減された」と喜ぶ相談者さまも多いのですよ。
たった1回利用するだけでも、ご自分に合う解決方法を無料で提案してもらえるでしょう。
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借金は高飛びすれば時効を迎えられる?海外逃亡した人の末路 まとめ
本記事では「借金を高飛びで踏み倒したい」「海外逃亡で時効を成立させたい」方に向けて、その先に待っている未来やリスクを解説しました。
高飛びで借金の時効を成立させるのは不可能
海外逃亡しても現地ではまともな生活を送れない
高飛びすると、家族や連帯保証人の人生を破綻させる可能性がある
高飛びより弁護士へ債務整理を依頼するほうが現実的
高飛びを検討するほどに追い込まれている相談者さまのお気持ちは、よく理解できます。
私も親が生活費を工面できなかった時期があり、とても苦しい思いをしてきました。
しかし、高飛び(海外逃亡)しても、状況は悪化するだけです。
法律事務所で働いていたときにも、夜逃げに失敗して相談に訪れた方がいらっしゃいました。
その方が相談に来たタイミングでは、もう自己破産しか選択肢が残っておらず「もっと早く相談に来てくれていたら、別の方法で借金を解消できたのに」と何度も思いました。
この記事を読んでくださっている相談者さまなら、まだ間に合うかもしれません。
借金問題は、なんといっても早期相談と早期解決が重要。
どうか高飛びで今後の人生を棒に振る前に、現実的な債務整理(可能であれば任意整理)で明るい人生を歩んでいただきたいです。
情報提供という方式にはなりますが、私も相談者さまが早期解決されることを心から応援しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。