借金減額に個人再生(民事再生)は有効なのか皆さん気になりますよね。
そこで、本記事のポイントはこちらです。
個人再生をすると借金は最大9割減額できます。住宅も残したままでOK
ということで、この記事では個人再生のメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
ぜひ正しい知識を身に着けて、個人再生(民事再生)を前向きに検討する参考にしてください。
個人再生:メリット編

借金が多額になってしまい悩んでいるのであれば、個人再生(民事再生)は債務整理の手段としてオススメです!
債務整理には他にも種類がありますが、他との違いを知るためにもこちらでは個人再生(民事再生)のメリットについてご紹介していきますね。
借金の大幅減額が可能
個人再生(民事再生)とは、裁判所に借金の減額をしてもらい、残額を3年〜5年かけて計画を立てて返済を行うことです。
個人再生(民事再生)をすることによって、もともとの借金の2割程度まで減額することも可能です。
減額の基準は以下の表をご参照ください。
借金金額合計 | 減額後の金額 |
100万円 | 対象外 |
100万円以上500万円未満 | 100万円 |
500万円以上1,500万円未満 | 20% |
1,500万円以上3,000万円未満 | 300万円 |
3,000万円以上5,000万円未満 | 10% |
表を確認すると、450万円の借金がある方なら個人再生(民事再生)をすることで返済額は100万円まで下がります。
この100万円を3年かけて返済していきますので、月額にすると2万8千円程。
なんと3万円にも満たないのです。
個人再生(民事再生)なしで450万円を3年かけて返済しようとすると、月々の返済額は12万5千円になりますので、これだけでも大きな差があるとわかります。
住宅が残せる
個人再生(民事再生)をすると「住宅資金貸付債権に関する特則(通称住宅ローン特則)」という制度を利用でき、住宅を残したまま借金の減額ができるんです。
しかし、住宅にローンが残っているときには、ローン返済は従来通りに行い、加えて個人再生(民事再生)で減額した借金の返済も同時進行でしていかないといけません。
そのため、ある程度、毎月まとまった金額を返済できる人でないと、この制度を利用するのは難しいでしょう。
愛車の価値によっては残せる可能性あり
個人再生では、愛車の価値より返済金額が下回った場合、売却せずにすみます。
例えば、愛車を売却して120万円の価値があり、個人再生(民事再生)後に減額した借金返済額が120万円以上だった場合、愛車を処分して返済費用に充てる必要はありません。
ただし、愛車の価値が140万円で、借金返済額が120万円だった場合、車を処分して返済費用に充てなければならないのです。
ちなみに、自己破産では、車の価値が20万円以上の場合(この金額は裁判所によって異なります)車を売却して返済に充てます。
これに比べれば個人再生(民事再生)は優しい基準だと言えるでしょう。
借金理由を重要視されない
個人再生(民事再生)では、借金理由が手続きの妨げになることはありません。
たとえ、パチンコなど、ギャンブルによるトラブルで借金ができてしまった場合でも、問題なく手続きができます。
一方で自己破産は、上記のようなギャンブルや、クレジットカードの不正使用(チケットを大量に購入し、転売して現金化する)など、理由によっては、借金自体の免責がされなくなる可能性が。
就業は可能
個人再生(民事再生)によって、就業に関わる資格の制限が発生することはありません。
自己破産だと、例えば次のような仕事は、一定期間、就業できなくなります。
- 弁護士
- 宅地建物取引主任者
- 司法書士
- 保険外交員
- 警備員
過払い金請求も可能
個人再生(民事再生)手続きにおいては、借金のトータルを調べるために、貸金業者にこれまでの取引の詳細資料を用意してもらいます。
その資料確認で、「過払い金が発生していた」と、わかることがあるのです。
過払い金が借金の全額よりも多かった場合には、当然ですが、借金はすべて帳消しにされますので、個人再生(民事再生)の手続きそのものが不要になります。
トータルの借金を上回らなくても、その金額で十分返済が可能と判断された場合には、個人再生(民事再生)ではなく「任意整理」へ、手続きが変更になる場合も。
任意整理では、個人再生(民事再生)のように裁判所を通さずに済むため、手続きにかかる費用(弁護士費用など)も削減でき、時間も節約できます。
個人再生:デメリット編

信用情報機関にブラックリスト登録
個人再生(民事再生)手続きをすると裁判所を通して借金減額がされるため、この情報が信用情報機関に記録されます。
これがちまたで言われる「ブラックリスト」登録というものです。
登録される信用情報機関によって登録期間は異なりますが、おおむね5〜10年となります。
この期間中には、新規借入・クレジットカード契約もできなくなりますので注意です!
また、ローンも組みにくくなりますので、住宅や車など高額ローンだけでなく、スマホなどの家電も分割購入はできないと思った方が良いでしょう。
官報に載ってしまう
官報に載ってしまうのもデメリットの一つです。
官報というのは、国が発刊している新聞のような書物で、国が国民に知ってほしいと思う事柄が掲載されています。
具体的には、法改正や政府情報、破産や相続などの裁判内容などが掲載されています。
個人再生(民事再生)をすると、手続きをした人の住所や名前が3回掲載されるのです。
- 個人再生(民事再生)手続きを開始すると裁判所が決定したとき
- 再生計画案が裁判所に提出されたとき
- 再生計画案について認可or不認可の決定が下されたとき
ですが、官報は、一般の人はほぼ見ません。
そして、毎日のように、大量の情報が更新されている中から、個人再生(民事再生)手続き1件について、「執ようにチェックされる」ということは、考えにくいのです。
しかし、官報への掲載によって、怪しい闇金組織から、新規借入のオファーを受けることもあるようです。
どんなに魅力的な勧誘を受けても、絶対に応答しないようにしましょう。
連帯保証人に迷惑がかかる
連帯保証人がついている借金を個人再生(民事再生)手続きした場合、残高は連帯保証人が代わりに返済していかなければいけません。
さらに言うと、この手続きで減額されるのは、手続きした本人の借金についてだけなので、保証人が抱えている債務状況については対象になりません。
(保証人にも借金があると2重で返済が必要。)
それでも、「連帯保証人にばかり返済責任を押しつける」訳ではありませんので、ご安心を。
貸金業者と連帯保証人が話し合いをすることで、一括払いから分割払いに変更することも可能ですし、個人再生(民事再生)をした本人と、連帯保証人が協力して借金を返済していくこともできます。
とは言え、連帯保証人に多大な迷惑をかけることに、変わりはありません。
事前にしっかりと話し合いをして、トラブルにならないよう努めるのが賢明です。
自力で手続きをするのが複雑で困難
個人再生(民事再生)手続きの大きな特徴として、「裁判所を通す」ことが挙げられます。
そのため、必要書類の数も多く、非常に複雑な手続きです。
ところが、個人再生(民事再生)では、これをする本人が主体となって、手続きを進めなくてはなりません。
裁判所からの丁寧なサポートが期待できない以上、自力で個人再生(民事再生)手続きを行うのは困難と言えます。
「借金問題について、今回選択すべき債務整理の方法は、個人再生で本当に良いのか?」
「他の方法を選択するべきなのか?」
このようなことに、専門的なアドバイスをくれる、弁護士や司法書士に相談して、手続きを進めていった方が確実です。
また、裁判所に個人再生(民事再生)の申し立てを行うと、「個人再生委員会」(再生計画案についての助言をしてくれる委員)が選出され、サポートしてくれるのです。
しかし、本人が弁護士を立てていれば、このサポートを付けずに、手続きを進られる場合もありますが、裁判所によって対応は異なります。
「弁護士を立てると費用が余分にかかる」というイメージがあるかもしれません。
しかし、弁護士に依頼した方が、結果的にトータルの必要経費を抑えられるケースも十分にあります。
やはり個人再生(民事再生)手続きをするとなったら、まずは法律事務所などに、相談しましょう。
個人再生をするために必要なことは?

個人再生の手続き方法は2つ
個人再生(民事再生)手続き方法には、主に会社員を対象にしている
給与所得者等再生
それ以外の自営業者などを対象にしている
小規模個人再生
の2種類があります。
この2つの違いとして以下があります。
- 給与所得者再生
手続きに反対する貸金業者がいたとしても借金は減額される - 小規模個人再生
手続きに反対する貸金業者が全体数の半分以上or反対する貸金業者の債権額が総額の半分以上だった場合に借金は減額されない
以上のことから、貸金業者に反対されてしまうと、小規模個人再生の方が借金の減額ができない可能性があるということです。
しかし、貸金業者もむやみに反対意見を出すわけではありません。
個人再生(民事再生)に強い弁護士・法律事務所に相談すれば、どの貸金業者が手続きに反対しそうかを、手持ちの情報を元にアドバイスをくれます。
貸金業者の対応に不安があるなら、一度相談されてみてはいかがでしょうか。
個人再生手続きをするための2つの条件とは
給与所得者等再生、小規模個人再生をそれぞれ利用するためには条件があります。
- 借金総額が5,000万円未満である(ただし住宅ローンは除外)
- 手続き後3〜5年は安定した収入が見込める
- 定期収入についてその金額は年間20%以上変動しない
- 借金総額が5,000万円未満である(ただし住宅ローンは除外)
- 手続き後3〜5年は安定した収入が見込める
- 貸金業者から借入総額について50%以上賛同されていない
両者には微妙な違いがありますが、どちらも安定した収入が見込める環境であることと、住宅ローンを除く借金総額が5,000万円未満であることが挙げられます。
これを満たせない場合には、個人再生(民事再生)ではなく、自己破産に手続きを変更することも視野に入れなくてはいけません。
個人再生は他の債務整理と何が違うの?
この項目では、他の債務整理方法と比較した際の、個人再生(民事再生)のメリットやデメリットをみていきます。

具体的に以下2つにわけて見てみましょう。
- 個人再生vs任意整理
- 個人再生vs自己破産
個人再生vs任意整理
任意整理とは、裁判所を通さず弁護士など法律の専門家と貸金業者が直接交渉することによって、借金減額をする方法です。
やはり裁判所を通さない分、個人再生(民事再生)よりも簡易的でコストも抑えられます。
任意整理による借金減額はどのくらい効果がある?
個人再生(民事再生)よりも効果が弱いです。
冒頭でもお伝えしましたが、個人再生(民事再生)では借金額に合わせた減額基準がありますので、最大で9割も借金を減額することが可能です。
任意整理では基本的に
- 過払い金
- 利息
- 滞納に対する損害金
これらに対して交渉を行うことで借金減額を可能にしています。
そのため、もともとの借金を減額するということはめったにありません。
「過払い金が非常に高額である」などの事実が判明しない限り、個人再生(民事再生)の方が圧倒的に減額の効果があります。
個人再生(民事再生)と任意整理の違いとは?
内容 | 個人再生 (民事再生) |
任意整理 |
手続き期間 | 4~6ヵ月程度 | 3ヵ月程度 |
減額効果 | 最大9割減額できる | 借金元本の減額はできないため大幅減額は不可 |
ブラックリスト登録期間 | 5〜10年 | 5〜7年 |
官報掲載 | 掲載あり | 掲載なし |
対象の借金は選択可能か | 選択不可 | 選択可能 |
これらを総合的に判断すると、どちらを選択すべきかは状況によって異なりますが、深刻でないのであればまずは任意整理がオススメと言えます。
例)減額せずとも借金元本だけなら3年で返済していける など

個人再生vs自己破産
自己破産とは、手続きに裁判所を通し、借金全額(支払い義務)を免除してもらう方法です。
認可されれば、実質、借金はゼロになります。
しかし、その代わりに住宅などの資産を失ったり、就ける職業が制限されたりと、大きなデメリットもありますので、そこは要注意です。
自己破産による借金減額はどのくらい効果がある?
自己破産手続きを行うと、抱えている借金が全てなくなります。
全ての債務整理を比較しても、最も効果がある方法と言えるでしょう。
しかしながら、自己破産をしたところで、現状持っている支払い義務が全てなくなるわけではないのです。正確には、税金や養育費、婚姻費などは破産手続き後も支払っていかなくてはいけません。
個人再生(民事再生)も十分に減額効果を見込めますが、自己破産のように借金そのものをゼロにしてもらえるわけではないので、自己破産と比べるとちょっと弱いと感じます。
個人再生(民事再生)と自己破産の違いとは?
内容 | 個人再生(民事再生) | 自己破産 |
減額効果 | 最大9割減額できる | ゼロにできる |
就業の制限 | なし | あり |
無職でもできるか | ||
借金総額上限 | 5,000万円未満 | 上限なし |
借金理由による免責対応の有無 | なし | あり
(ギャンブルなどによる借金は認められない) |
どちらを選ぶかについてですが、
- 住宅などの資産を残したいのであれば「個人再生(民事再生)」
- 借金額が高額すぎて個人再生(民事再生)だけではどうにもならないという場合には「自己破産」
という流れになるのが一般的です。
個人再生(民事再生)と自己破産、どちらも裁判所を通して手続きを行いますので、やはり法律のプロである弁護士などに相談しながら手続きを進めた方が安心です。
もし借金が高額になってしまい、自力では解決できない!と感じているのであれば、すぐに弁護士などの専門家へ聞いてみるのが最善ですね。
個人再生手続きをするには?

個人再生(民事再生)手続きにかかる期間は4〜6ヵ月とされています。
この項目では、申し立てから再生計画案を提出、認可されるまでの過程を見てみましょう。
個人再生手続きの過程
貸金業者などの債権者へ受任通知を送付
個人再生(民事再生)の依頼を受けて、弁護士などの専門家が貸金業者などの債権者に向けて、受任通知と呼ばれる書類を発送します。
【受任通知とは】
「これから債務者の代理として手続きを行います」と、弁護士(司法書士)が、債権者へ伝えるための書類
これを送ることで、貸金業者は手続き者に対しての借金取り立てができなくなります。
裁判所へ申し立て
個人再生(民事再生)をするには、裁判所への申し立てが必要です。
申し立てをするには、数多くの書類提出が求められます。
中には、相当な労力を要するものや、時間のかかるものがあり、少しでも不備があれば、手続きが滞ってしまうことも・・・
書類の準備についても、弁護士(司法書士)に依頼するのが賢明だといえます。
また、次のことを事前に整理しておくと手続きが円滑に進むので、弁護士(司法書士)に依頼することをお考えなら、ぜひお役立てください。
- 債権者情報(貸金業者、金融機関の名前など)
- 借入状況(総額・毎月の返済額・取引日付)
- 連帯保証人がいるか
- 相談者名義の資産があるか(住宅・車・保険金・株など)
- 現在の収入・支出状況
- 今後の返済可能額
個人再生委員会で委員の選出
これは裁判所により対応が異なります。
個人再生(民事再生)の申し立てが裁判所で受け入れられると、個人再生委員が選任される場合があるんです。
個人再生委員とは、裁判所が選ぶ弁護士のことです。
個人再生(民事再生)手続きについて、借入状況・収入状況を調べて、この先、申し立てをした人が作成する「再生計画案」についての助言をくれます。
個人再生委員会は、弁護士が代理人として申立てした場合、選出されないことが多いです。
ですが、東京地方裁判所では、弁護士の有無に限らず、全ての申立てに個人再生委員が選出されます。
個人再生手続きの開始決定
提出書類に問題がなければ裁判所は次に、個人再生委員と申立人から話を聴取します。
その後、個人再生(民事再生)手続きの開始を正式に決定。
手続きが完了するまでは、返済活動の一切が禁止されます。
また、裁判所に断りなく財産を処分することもできません。
返済活動の予行演習
開始が決定された後には、半年かけて個人再生委員に対し、返済活動の予行演習が必要になります。
これは、個人再生(民事再生)手続き後、返済額をきちんと毎月払っていけるかを確認するテストです。
もし予行演習中に支払いを滞納してしまうと、「これでは実際の返済活動も無理だな」と思われて、予行演習どころか手続きを止められてしまうことも。
予行演習では遅延せずに支払うことが重要です。
個人再生委員と面談
開始決定後には予行演習に加え、申立てをした本人と、依頼した弁護士(司法書士)、個人再生委員の3者で行う面談が必須です。
これまで裁判所に提出された書類をベースに、個人再生委員が質問をし、その面談内容によっては、さらに追加の提出物が必要になる場合もあります。
再生計画案を提出
個人再生委員による課題をクリアしたら、再生計画案を作成し裁判所へ提出します。
再生計画案には、すべての借金額に対する減額基準を基に算出された返済額が載っています。
再生計画案を認可or不認可決定
再生計画案が提出されたら、裁判所がこれを認可するか決めます。
給与所得者等再生の場合には、債権者へ意見が求められて完了しますが、小規模個人再生では、債権者の半数以上の同意が必要です。
ここまで、最初に申し立てをしてから4〜6ヵ月という時間がかかっています。
この認可後、さらに1ヵ月ほどすると、再生計画案は確固たるものとなり、ようやく借金の減額が法的に認められます。
もし不認可となってしまった場合は、まず、不服の申し立てを行い再度審査をしてもらいます。
それでも、不認可だと個人再生(民事再生)は諦めた方が良いかもしれません。
自己破産など別の方法を考えましょう。
再生計画案を基に返済活動開始
再生計画案が認可されたら、これに沿って実際に返済活動を開始します。
返済が終わると、借金残高が免除され、はれて借金返済から脱出できるのです。
個人再生でかかる費用

申し立てをする本人が、法律の専門家でない限り、この手続きをするのは、難しいと言えます。
通常は、やはり、その道の専門家である弁護士や司法書士に依頼をし、サポートしてもらうことが必須です。
しかし、そこで気になるのは「費用」ではありませんか?
裁判所に対する費用
裁判所が行う手続きである以上、こちらの費用は絶対的に必要です。
通常は以下の金額を裁判所へ支払います。
(裁判所によって差はありますので、詳しい金額については各裁判所へお尋ねください。)
申立手数料 | 10,000円 (+収入印紙) |
裁判所予納金 (官報広告費用) |
12,000円 |
郵便切手 (書類送付時) |
約2,000円~4,000円 |
個人再生委員への報酬 | 弁護士を立てる場合 15万円弁護士を立てない場合 25万円 |
表を見てもわかるとおり、個人再生委員の報酬が一番高く、安いものではないですよね。
そのため、個人再生委員をなるべくなら選出してほしくないと感じる方もいるかもしれません。
前の項目でもお伝えしましたが、東京地方裁判所だと、必ず個人再生委員がつけられてしまいますが、他の裁判所では、個人再生委員の代わりに代理弁護士を立てることで「不要」と判断してもらえます。
それでも、借金が非常に高額なときや、もともと保有する資産が多いときには代理弁護士を立てていても、個人再生委員が選任される場合がありますので、不安な方は弁護士などに相談してみましょう。
弁護士と司法書士に対する費用
次に、個人で弁護士や司法書士に依頼した場合の費用を見ていきましょう。
費用種別 | 弁護士の場合 | 司法書士の場合 |
相談料 | 初回は無料相談の事務所が多数
2回目以降は30分5000円程度が基準 |
|
着手金 | 20~50万円 | 20~30万円 |
報酬金 | 借金減額後の金額およそ10% | |
実費 | 1~3万円程度 ※交通費、書類作成代行費など |
上記を確認すると、着手金に差があるように感じられます。
司法書士よりも弁護士に依頼する方が高い傾向です。
なぜかというと、弁護士と司法書士では裁判所での権限が違っており、弁護士の方が対応できることが多いから。
そのため、弁護士に依頼すれば書類作成代行のみならず、裁判所にも出向し手続き自体を代行してもらいながら、進めていくことが可能と言えます。
司法書士にはここまでの権限がありませんので、できるのは書類作成の代行までです。
弁護士は裁判所まで出向いて対応してくれる分、費用が高く設定されています。
また、もし司法書士に依頼した場合には、個人再生委員が選任されてしまうのです。
(裁判所と直接交渉する権限を持たないため)
個人再生についての疑問

Q1:個人再生(民事再生)は家族と職場に気付かれる?
A:気付かれる可能性があります。
家族に気付かれる理由
裁判所への申し立て手続きの際、家計収支表や収入証明書などを提出するためです。
同居する家族全員の給与・収入・ローン・光熱費・食費・保険料などを細かく記入して作成された表
これを作成する時点で、家族には話さないと協力してもらえないですよね。
収入証明書は、本人だけでなく家族の分も必要です。
収入がある家族が同居していると、お願いする必要があるので、気付かれる可能性大です。
職場に気付かれる理由
裁判所に提出する書類の一つに「退職金見込額証明書」というものがあります。
こちらを勤務先に発行してもらう際、気付かれる可能性が高いです。
他にも勤務先に依頼して用意してもらう書類はありますが、この「退職金見込額証明書」は、債務整理に使用される場合が多く、申請した時点で「債務整理している」と勘ぐられることも・・・
しかしながら、「借金があるから」という理由で従業員をクビにするのは法律違反となりますので、そこまで職場に気付かれることを気にする必要はないと言えるでしょう。
Q2:個人再生すると生命保険はどうなるの?
A:個人再生(民事再生)をしても生命保険は解約しなくて大丈夫です!
しかし、保険解約による返戻金が高額であった場合には、個人再生(民事再生)での減額効果は下がります。
個人再生(民事再生)で借金は2割程度まで減らすことがどの場合でも可能になりますが、もともと持っていた資産額を上回る減額はできないルールがあります。
例)
450万円の借金を個人再生(民事再生)
通常なら 100万円まで減額可能
解約返戻金が200万円なら 減額も200万円まで
解約返戻金は資産ですので、この額が上がれば上がるほど、減額可能額は少なくなりますので注意しましょう。

個人再生のメリットとデメリットを詳細に解説!借金減額に有効 まとめ
個人再生(民事再生)は、債務整理手段でもメリットが多く借金減額に有効であると知られています。
個人再生(民事再生)のメリット
- 大幅に借金総額を減額できます。
- 住宅や愛車も残せます
- 就業において資格制限がない
- 過払い金調査も可能
個人再生(民事再生)のデメリット
- 信用情報機関へブラックリスト登録
- 連帯保証人への負担
- 手続きが複雑で専門家への依頼が必須
- 費用が高額
個人再生(民事再生)を考えているなら、メリットだけでなく、デメリット部分もきちんと理解してから決めるのが良いでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。