お子様の成長を第一と考え、家計の中でも習い事を優先させたい教育に熱心な相談者さまも多いはず。
そこで本記事のテーマはこちら。
月謝を滞納するとどんなことが待っている?
月謝を滞納している家庭では、こんな問題にも発展していくんです!という事例もお話しします。
月謝を滞納しそうで不安という方へ、滞納してしまった場合の対処法も一緒に紹介しますので、どうぞ最後までお付き合いください。
月謝を滞納したらこんなことが!

今や『習い事には行くのが当たり前』の文化になっていると言ってもよいでしょう。
中には「子供に習い事や塾通いをさせないと、いい学校に進学できない、将来性を伸ばせない」と焦り、お子様を習い事に通わせていらっしゃるご家庭も多いはず。
クラスで習い事を一切していない子は少ないため、習い事をしていないとお子様のコミュニティ形成にも影響が出てしまうのではと気がかりですよね。
しかしながら、どんなにお子様へいろいろさせてあげたい!と思っても、月謝を工面するのは本当に大変です。
文部科学省の調査によると、公立小学校に通うお子様がいるご家庭では、塾や習い事などの学校外教育費に、平均で年間約21万円を使っているそうです。
月に約2万円ですから、決して安い金額ではありませんよね。
毎月なんとか捻出しているという方も多いのではないでしょうか。
もし月謝を滞納してしまったら……
そんな不安も多いと思います。
ですのでこの項目では、月謝を滞納した先に起こることを解説していきます。
月謝滞納3カ月程度で除籍
月謝を滞納すると、まずはスクールから電話や督促状で支払いの催促を受けます。
一般には、いきなり督促状が届くことはなく、講師や代表者から「今月まだお支払いいただいていないようなのですが……」とやんわり確認されることが多いですね。
ただし、小規模なスクールではなく、運営母体が大手の場合には、本部で一括管理していたり、対応マニュアルを作っていることも。
そうなると、各スクールから直接電話連絡が来るわけでなく、いきなり督促状が届きます。
文面としては以下のような感じです。
<例>
○月○日にお支払い予定の入金が確認できませんでした。
もし未払いでしたら○月○日までにお振込みをお願い申し上げます。
ご入金済みでしたら、当校まで直接ご連絡をいただけますと幸いです。
ほとんどの保護者さまはこのタイミングで対応されるかと思いますが、それでも支払いをしないでいると、おおよそ2〜3カ月の滞納で除籍手続きを取られてしまうでしょう。
<例>
○月分〜○月分までのお支払いが確認できなかったため、除籍とさせていただきます。
お子様が来校されましても受講をお断りさせていただきますので、ご了承下さいませ。
何も知らない子供が習い事に行き追い返される・・・という事態だけは、なんとしてでも避けましょう。
月謝滞納で考えられる最悪のケース
除籍することで関係を終了させる塾やスクールが多いですが、なかには法的手段を取って対応するところもあります。
月謝を数カ月以上滞納し続けた場合には、いくつかの段階を踏んで相談者さまを最悪の状況に追い込んでしまうケースもありますので、ぜひ知っておきましょう。
内容証明郵便が届く
電話や書面による催促を無視した場合、内容証明郵便を利用して督促状が送付されます。
郵便局にて手紙や書面のコピーを保管する郵便方法。
行数や字数制限はあるが、誰が/誰に/いつ/どんな用件で送ったのかを公に記録できる。
通常は原本+差出人控え+郵便局用で、合計3部用意します。
スクール側が、督促状を送ったという記録をうやむやにされないように、記録を残すのです。
裁判所を通した法的手段をとられる
内容証明での督促状にも対応しないでいると、スクールは裁判所を通した法的手続きを取ります。
月謝の滞納で考えられる法的手続きは2種類です。
- 少額訴訟
- 支払督促
どちらも、スクール側に負担が少なく、費用も抑えられる手続き方法です。
支払督促の方が書類のみで完結できるため、多くのスクールが支払督促を選ぶようです。
資産を没収される
少額訴訟、支払督促ともに応じずにいた場合、なんと相談者さまが現在所有する資産を没収されてしまうのです。
少額訴訟の場合には、即日判決が出る+スクール側に「仮執行宣言」という権限が付与されます。
つまり、判決が出ても支払いに応じないと「資産を差し押さえてもよい(強制執行)」を申し立ててもよいという権利です。
支払督促では、書面にて裁判所から支払督促を受け取り、2週間以内に支払者から異議の申立てがなかった場合に、強制執行ができる仕組みです。
ちなみに資産には次のようなものが含まれます。
- 給与
- マイカー
- 高額アクセサリー
一番困るのは、やはり給与。
給与を差し押さえるにあたり、相談者さまの職場に連絡が入ります。
月謝を滞納している事実も公になりますし、裁判沙汰となっていることも知られてしまうでしょう。
勤務先としては、裁判沙汰になっている社員を雇うのは企業イメージにも悪影響ですから、そのまま退職勧奨されてしまうかもしれません。
もしくは会社や同僚に合わせる顔がなくなり、自己退職するしかなくなることも……
月謝の支払い義務がなくなるケースも
スクール側が法的手段を取らず除籍対応とした場合でも、支払いの義務がなくなったわけではありません。
スクールには通えなくとも、引き続き支払い催促がなされます。(多くは電話と書面による督促)。
この滞納した月謝は、ずっと払い続けていないとどうなるのでしょうか?
実は支払いには「時効」があります。
少額の月謝であっても、時効を迎えたら支払う必要がなくなるのです。
これには、民法173条が適用されます。
次に掲げる債権は、二年間行使しないときは、消滅する。
一 生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権
二 自己の技能を用い、注文を受けて、物を製作し又は自己の仕事場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に関する債権
三 学芸又は技能の教育を行う者が生徒の教育、衣食又は寄宿の代価について有する債権
引用:wikibooks
つまり、2年間支払い催促がされなければ時効となるのです。
2年が経過する前に、一度でもスクール側が支払いを求めてきたら、カウントはリセットされてしまいます。
つまり、時効を迎えられるケースはあるかもしれませんが、かなり少ないと言えるでしょう。
有名スクールの月謝を滞納した場合

月謝を滞納すると、資産を失ってしまう可能性もあることがわかりましたね。
大手の塾とピアノ教室と言えば、やはり「KUMON」と「ヤマハ音楽教室」が思い浮かぶ方が多いでしょう。
そして、通信教育では、こどもチャレンジや進研ゼミを展開する「ベネッセホールディングス」ではないでしょうか。
この項目では、上記3社の対応を比べてみたいと思います。
塾:KUMONの対応
期日までに会費のお支払いがない場合、学習を継続できないことがあります。
引用:KUMON
KUMONはフランチャイズ経営となっているため、講師を目指したい方にノウハウを伝えて、随時サポートを行う代わりに、手数料を各校(講師)から支払ってもらう仕組みになっています。
はっきりと何ヶ月滞納したら除籍とは記載されていないことから、未納があった場合の対応は、ある程度各校に任せているように感じられますね。
この文面を見る限り「除籍」は確実と言えるでしょう。
ピアノ教室:ヤマハ音楽教室の対応
レッスン料が未納の際、督促のご連絡を差し上げる場合がございますので予めご了承ください。 2 ヶ月以上レッスン料のお支払いが滞った場合、退会手続きをさせていただき、レッスンの受講をお断りすることがございますのでご留意ください。
引用:ヤマハ音楽教室
一方でヤマハは、しっかりと「2カ月」で退会と明記されていますね。
また、督促を行うとも記載されていますので、電話や書面にて支払い催促が行われる可能性もあります。
大手の塾、ピアノ教室では、期間に違いはありますが、いずれも除籍対応です。
通信教育:ベネッセの対応
お客様が次の各号のいずれかに該当した場合、本サービスの一時停止、退会またはその他の措置を講じることができます。この場合、お客様は、本サービスの受講費およびその他当社に対する債務の全てについて、期限の利益を失います。当社が申し出た場合には、当該債務を一括でお支払いいただきます。
(3)本サービスの受講費およびその他当社が提供するサービスにかかる費用を滞納した場合
引用:ベネッセホールディングス
つまり、月謝を滞納すると購読を止められるだけでなく、滞納している残高も一括請求されてしまいます。
会社として申し出るとあるので、状況によっては法的な対応を取ることもありえますね。
何カ月目で強制的に止められるかは記載されていませんが、おおむね3〜4カ月で教材の送付が止められると考えて良いでしょう。
全国統一で提供されるサービスのため、ベネッセの方が塾やピアノ教室と比べて厳しそうな雰囲気ですね。
月謝を払えないけど辞めたくない!そんなときは?

有名スクールの対応もわかったところで、滞納しそうなときにどんな対応ができるか気になりますよね。
スクールに交渉
真っ先にやるべきなのは「スクールへの直接交渉」です。
連絡もなく月謝の滞納があると、スクール側も心配になります。
「月謝を支払うのが難しい状態」であることを、まずは伝えましょう。
謝罪と支払うつもりであることをきちんと話すことで、相談者さまの真摯(しんし)な態度に、スクール側も配慮してくれるかもしれません。
- いつまでに支払いが可能か
- どのくらい待ってほしいのか
このとき、具体的に日付を伝えるのが大切です!!
本来の規約では「待たない」としているスクールも、相談者さまの伝え方によっては、多少の猶予を与えてくれるかもしれませんよ。
不用品販売で工面
次に「不用品販売」です。
ひとつの習い事にかかる月謝は月数千円〜1万円程度であることが多いです。
その月の支払い分だけなら、不用品を販売することで工面できるかもしれません。
たとえば、フリマアプリを使用してこんなものを売るのはいかがでしょうか?
お金がないと思っても、家の中を探してみると、意外に換金できるものが見つかるもの。
断捨離をすることで、月謝を滞納している気持ちもスッキリできますし、試してみる価値はありそうですね。
一時的に借入をする
そして、最後に「一時的な借入」です。
一時的にお金を借り入れる方法は3つあります。
身内に借りる
第一に思いつくのは、身内に借りるという方法です。
相談者さまのご両親や、配偶者のご両親に、お願いをして借りるのが一番簡単ではないでしょうか。
お金を借りることで「生活が不安定と思われる」「心配をかける」と不安がよぎり、近しい人ほど相談しにくいと思われるかもしれません。
親子であっても「必ず返す」という約束をすれば、身内にお金を借りる後ろめたさも軽減できるでしょう。
国の制度を利用する
次に、国の制度を利用する方法です。
厚生労働省が「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」という、ひとり親家庭に貸付けを行う制度を設けています。
お子様が20歳未満で、親御さんが父親と母親どちらかだけ、という家庭には、条件を満たせば無利子でお金を貸してくれるのです。
塾や習い事には就学支度資金や就学資金が利用できます。
就学支度資金
各教育機関に合わせて、通うために必要なものを購入する資金を最大59万円まで貸し付けてもらえる。
就学資金
各教育機関に合わせて、通学を持続させるために必要なものを購入する資金を月額最大6万6千円まで貸し付けてもらえる。
参考資料:男女共同参画局
無利子というのはかなり大きいと感じますね!
カードローンを利用する
最後に、カードローンを利用する方法。
個人でも気軽に借入れができるように、金融機関や消費者金融が提供しているサービス。
コンビニエンスストアのATMやネットからでも利用が可能で、利用上限額のうちなら何回でも引き出しが可能。
大手のサービスなら、初回の借入れは無利息としているところもありますので、安心です。(※ただし、無利息にも期限がある場合が多い)。
お子様の月謝支払い程度であれば1度の借入れで工面できますが、それが癖にならないように気を付けましょう。
さまざまな会社で借入れを繰り返すことは多重債務のはじまりであり、危険です。
月謝を滞納する家庭が抱えていく問題

お子様の教育を優先したいがあまり、家計を圧迫するほどの習い事を抱えてはいらっしゃいませんか?
月謝の滞納が1度だけでなく何度も続いている家庭は、客観的に見ても安定した家計状況とは言えません。
このままでは、月謝の滞納のみみならず、生活そのものに影響を及ぼすかもしれません。
最後に、この項目では月謝を滞納し続ける家庭が抱えていく問題について向き合ってみましょう。
生活苦による多重債務
月謝を滞納しないために小さな借入れを繰り返すと、気がつくと借入れの返済にも追われ、子供の教育どころか毎日の生活維持さえ困難に……
月謝の支払いが滞る=生活もままならない
このような状態に陥りかねません。
少額の借入れでも複数かつ長期に及べば、多重債務となってしまうこともあるのです。
多重債務になると「返済のために借りる」という状態が基本になりますので、借金がいつまでたってもなくなりません。
最初は滞納した月謝のために借りた数万円が、気付いたときには、数百万円に膨れ上がっていることだって現実にあるのですよ。

教育費を優先しすぎて闇金へ
一度多重債務になってしまうと、借入れをすることすらも次第に厳しくなっていきます。
なぜなら、法律で「年収の3分の1以上の額は借入れができない」とされているからです。
つまり、MAXまで借入れをしてしまった場合、もうお金を貸してくれる金融機関はありません。
そうなると、闇金業者へ手を出してしまうのです。
闇金業者は、どんなにお金がない人にでも、すぐにお金を貸してくれる、というのが強みですよね。
しかし、相談者さまもイメージする通り、闇金と言えば、借入額を大きく上回る利子の支払いやしつこい取り立て、脅迫と違法行為をしている団体です。
彼らは、利用者からお金を巻き上げるためなら手段を選びません。
大切なご家族にも目を付けるでしょう。
お子様のためを思って教育費に囚われすぎてしまうと、肝心のお子様にも危険が及ぶことにつながりかねませんよ。

月謝を滞納する前に抱えた問題を解決しましょう
月謝の滞納が、ご家族を危険にさらす問題にまで発展するとわかりましたね。
もし月謝を滞納し、その上借入までしてしまっているなら、早急に問題の解決が必要です!
今は少額だから。
闇金には手を出していないから。
と感じているかもしれませんが、いつ追い込まれるかわかりません。
とにかくこれ以上の借入はやめて、抱えている借金はすべて解消しましょう。
今は法的な手段を使って借金を解決する「債務整理」という方法があります。
債務整理を利用すれば、安全な方法で借金を減らすことが可能なんですよ。

月謝が払えないのであれば、少しだけお子様に我慢してもらい、一時的に習い事や塾を休ませて、その間に債務整理で借金を減らしてしまうのが最も早いです。
この先、借金返済に怯える生活を防げると思えば、一時的にお休みさせることはまだ簡単だと感じてきませんか?
お子様に今後も良質な教育を受けさせて、才能を伸ばしてほしいと考えるなら、弁護士さんに頼って債務整理をするのがオススメです。
債務整理は自力で行うには複雑な手続きも多いですから、専門家に代行してもらうのが良いとされています。
法律のプロである弁護士は、どんな借金問題も真摯に対応してくれますよ。
また、大切なお子様の問題、他の人には知られたくないはず。

月謝を滞納してしまった!「その後」と有名スクールの対応を解説 まとめ
月謝を滞納した後にどんなことが起こるかについて解説してきました!
月謝を滞納すると除籍が一般的だが、最悪の場合資産を全て失うこともある。
有名スクールはいずれも除籍処分。運営側の対応によっては法的手段をとられることも。
月謝を滞納しないためには、まずスクールへ交渉。
月謝の滞納が原因で借入をしているなら、危険な問題に発展する可能性もあり。
子供にたくさん習い事をさせてあげたい
スクールに通わせることでやりたいことを見つけてほしい
塾に通って勉強を頑張ってほしい
どれもごく自然な親心です。
しかし、教育を優先しすぎるあまり、家計に大きな負担をかけるのは決して正しくはないのです。
つまり、月謝を滞納し借入まで発生しているのだとしたら、とても危険です!
なによりこのままでは、お子様に安心した日常生活を送らせることもままなりません。
習い事をさせるにも、お子様が心身ともに健康でいてくれなくては成り立たちませんよね。
月謝が家計を圧迫しているのならば、習い事や塾は一度お休みを取らせて、返済に尽力しましょう。
抱えている借金を解決するには、債務整理が有効です。
手続きを行うだけで、確実に借金額を減らせます!
返済活動も継続できるようサポートしてもらえますので、やみくもに返済を続けるより効率的ですよ。
お子様に、より良質な教育機会を与えるためにも、借金を債務整理で減額して、余裕を持った状態にしていきませんか?
信頼できる弁護士さんに相談すれば、月謝の滞納によりできた借金問題も無事に解決できるでしょう!
月謝滞納がつらいなら相談しましょう

習い事や塾の月謝は滞納しても数万円であることが多いです。
それでも、滞納が苦しくて新たに借入をしてしまう人がいます。
借入を考える前に、抱えている借金をスッキリさせませんか?
弁護士さんへ相談すれば、どうしたらお金の心配をせずに
お子様を習い事に通わせることができるかを一緒に考えてくれますよ。
このまま月謝滞納に苦しむより、勇気を出して相談した方が良いです!
匿名で聞いてくれますので安心ですよ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。