債務整理にはいろいろな種類がありますが、最後に残されているのは「自己破産」と思っている方も多いのでは?
そこで、本記事のポイントはこちら!
自己破産のメリット&デメリットを詳細に紹介します。
「本当に自己破産を選んで良いのか?」また「手続きはどんな流れで行うのか?」も解説します。
手続きをしようか悩まれているのなら、ぜひ最後までお付き合いください。
【自己破産】メリット・デメリット

自己破産とはまず何かを説明します。
今現在、抱えている負債の返済を、裁判所を通して全部免除してもらう手続き。
手続きの申請をしてから、裁判所で認可されれば、返済額を支払う必要がすべて失くなるので、借金は事実上ゼロになるんです。
それでも、自己破産には「破産手続きをしたことで人生がうまくいかなくなる」といったマイナスイメージが強くあり、できることなら避けたいと考える人も多いでしょう。
なかには「破産は戸籍にも影響がある!」なんて情報が飛び交うほどです。
【自己破産】メリット
まずはメリットについてです。

借金をすべて無くせる
やはり自己破産手続きと言えば、借金返済の支払い義務そのものを免除できる点が大きな強みです。
負債そのものが消えることはないですが、貸金業者や銀行などの債権者から取り立てや差し押さえをストップさせられます。
これが事実上「借金帳消し」ということにつながると言えるんです。
資産は最低限残せる
「自己破産=資産をすべて失う」というイメージを持たれる方も多いはずです。
しかし、実際にはすべてを失うわけではなく、日常生活で必要と思われる分の資産は残せます。
たとえば、現金や衣類などは生活にぜったい必要とされるものですよね?
現金は99万円までと限定されていますが、生きていけなくなるほどではありませんので安心してください。
反対に、持ち家、土地、マイカーなど換金可能な資産の多くは、失ってしまうと思った方がよいですね。
収入が全くなくても手続きが可能
そして、自己破産は無職の方や生活保護を受けている方でもできるんです!
他の債務整理では、手続き後に減額された借金の返済を行っていくため、相応の収入がないと難しいですよね。
そのため、返済義務自体がなくなる自己破産は、収入がない方でも大丈夫なんです!
【自己破産】デメリット
次に、デメリットですが……

借金ゼロになる代わりに、発生するデメリットには以下があります。
資産を失う
自己破産手続きでは、まずはじめに換金可能な資産はすべて処分し返済にまわします。
それでも、返済が不可能となったときには、裁判所が借金返済義務を帳消しにしてくれるのです。
そんなわけで、資産の多くは失ってしまうと言えます。これが自己破産のデメリットで一番嫌だと思われる点ですね。
処分する資産は各裁判所に判断が委ねられますが、以下が一般的とされています。
自己破産で失う資産
- 住居や土地
- 車や貴金属
- 預貯金や証券など
- 99万円以上の現金
- 160万円以上の退職金(見込み額含む)
- 20万円以上の保険解約にともなう返戻金
連帯保証人に大きな影響を及ぼす
自己破産手続きは、手続者本人の返済義務は帳消しですが、各借入れ契約の連帯保証人に関しては、義務がなくなりません。
つまり、返済義務は保証人に移行して、手続者本人の代わりに、保証人が残された借金を返済します。
多くの場合、保証人には借金の一括返済請求がされてしまうのも大きな問題です。
保証人が一括返済できるなら大丈夫ですが、無理な場合には、保証人自身も債務整理をする必要に迫られ、最悪2人そろって自己破産となってしまう可能性も!
クレジットカード契約やローン契約ができない
自己破産すると、他の債務整理同様に信用情報機関にブラックリスト登録されてしまいます。
ブラックリスト登録は、解除されるまで5〜10年はかかるので、この期間中には、クレジットカード契約及び新規ローン、借入れはできません。
お金に関わらず日常生活で制限アリ
そして、お金に関わらない日常生活でも制限が…。

制限その1:就ける職業が制限される
自己破産手続き中には、特定の資格が必要な職業には従事できません。
たとえば以下の職業です。
- 弁護士
- 公認会計士
- 生命保険募集人
- 警備員 など
基本的には、他者のお金を扱う仕事が含まれます。
しかし、この制限は手続き中のみのため、終了すれば問題なく上記の職業には付けますし、資格もそのままです。
制限その2:郵便物を転送される
のちほど詳しく説明しますが、自己破産には2種類あります。
- 管財事件
- 同時廃止
このうち「管財事件」となってしまうと、手続き者の借入れ・資産情報をくまなく調査する「破産管財人」という人が選定されます。
破産管財人は、返済者本人あてに届く郵便物などもチェックするため、管財事件の期間中は、郵便物を転送されてしまうのです。
郵便物をチェックする目的は
- 資産を隠していないか
- 他の借入れはないか
などです。
ただし、年賀状や破産手続きに関係のない郵便物については、受け取れる場合も。
制限その3:引っ越しや長期旅行が不可になる
手続きの最中は、現在の住まいから自由に移動することが、原則的に許されません。
それでも、正当な理由があれば、裁判所から許可が下りて、引っ越しや長期旅行も可能になります。
もし、手続き中に引っ越しをしたり、出かけたい場合には、事前に入念な話し合いを弁護士と行い、裁判所から認可されるよう計画を立てましょう。
自己破産手続き後はどんな影響がある?

前項では、メリットとデメリットを紹介しました。
デメリットの部分だけを切り取ると、債務整理の中でも良くない手段としてイメージされる方が多いのではないでしょうか?
よくありそうな疑問から選んで深堀りしていきますね。
案外「これなら大丈夫かも?」と感じるかもしれません。
Q自己破産は職場や学校にもバレる?
A:職場や学校にバレることはほぼないです。
自己破産により、裁判所が職場や学校に通知を送付することはありません。
知られるとしたら、政府が発行する「官報」という書物からですが、一般の方が官報を読むことは、ほとんどないと言えます。(※官報には自己破産人の氏名や住所が記載されます。)
貸金業者などの債権者や官報の記載情報に関係する当事者などは読む機会が多いですが、ご近所や知り合いに知られてしまう可能性はかなり低いです。
官報の詳細については、こちらの記事で紹介していますので、気になる方はお読みください。

Q家族にはどんな影響がある?秘密にしておけるの?
A:家族には影響もありますし、秘密にはしておけない可能性大です。
自己破産をすると、資産を没収されます。
住居を失うことも多くありますから、当然同居する家族には大きな影響を及ぼします。
家に限らず、車や貴金属なども失いますので、家族に秘密にしておくのは非常に難しいでしょう。
しかし、信用情報自体は手続き者本人についてだけですので、ご家族の信用情報が傷つくことはありません。
例えば、夫が自己破産した場合、妻は自分の名義でクレジットカードを作れますし、新たなローン契約も可能です。
ほかにも、返済義務についてそれが家族に求められることはありませんので、その点は安心してください。
(※ただし、家族が連帯保証人になっている場合には、家族に支払い義務が移行しますので、注意です。)
Qマイカーは失ってしまう?
A:マイカーのローン返済が残っていれば失います。
マイカーローンを組んでおり、まだ返済が終わっていないものに関しては、車の所有権はローン会社にあります。
そのため、こういった環境下では、マイカーは没収されてしまいます。
ローンを完済して、所有権が自分にあったとしても、売りに出して現金に換金する価値があると判断された場合には、こちらも同様に失うと思った方が良いでしょう。
ただし、中古にしてもほぼ価値がない、と判断されるときには、残せることもあります。
Q賃貸物件に住んだり、契約はできる?
A:賃貸物件に住んだり、契約することも可能です。
自己破産しても、賃貸物件契約は問題ないですよ。
しかし、以下があてはまるときには注意が必要です。
- 物件の契約に保証会社が関わっている
- 家賃の支払い方法がクレジットカード払いのみ
これらの場合だと、入居審査には通りにくくなるでしょう。

Q新規ローン契約や借入はもうできない?
A:信用情報機関から情報がなくなれば、可能です。
自己破産はブラックリスト登録されますので、その期間中には新規ローン契約や借入は難しいでしょう。
情報が登録される期間は、信用情報機関によって異なります。
- CIC:5年
- JICC:5年
- KSC(全銀協):10年
これだけの時間がたてば、ローン契約・借入、さらにクレジットカード契約も可能になりますよ。
それぞれの信用情報機関については、こちらで解説しています。

Q保険や学資ローンも諦めて解約するしかないの?
A:保険や学資ローンは解約後の返戻金総額によりけりです。
通常の生命保険などでは、解約した場合これまでの支払金額の一部が戻ってくることもありえるでしょう。
しかし、返戻金が20万円超の見込みとなった際には、この解約金を使って返済にまわすよう裁判所から言われてしまうことも…
Q自己破産の記録は戸籍にも残る?
A:破産記録が、戸籍に反映されることはありません。
戸籍や住民票にその事実が記載されたりはしないので、安心してください。
先ほども述べましたが、官報に自己破産の記録は、住所や氏名とともに載ってしまいます。
しかし、それ以外の場所で破産の事実が記載されることはないです。
Qスマホ契約もできなくなる?
A:スマホ契約は可能です。
自己破産を行っても、スマホは利用できますし、新規購入も大丈夫ですよ。
ただし、以下の場合には強制解約もありえます。
- 毎月のスマホ料金について未払いがある/滞納している
- 機種代の分割払いがまだ終わっていない
理由は、スマホ料金や分割残高も借金の一つとカウントされるため、自己破産の対象となってしまうからです。
また、新規購入は可能ですが、ブラックリスト登録中にはスマホの分割購入契約ができないので、一括購入する必要があります。この点は注意が必要です。
Qパスポート取得や海外旅行も無理?
A:パスポート取得や海外旅行もOKです。
自己破産により、信用情報機関にブラックリスト登録はされますが、これがパスポート・入国審査などに影響を及ぼすことはありません。
そのため、海外旅行も問題ないですよ。
しかし、手続き中だと、裁判所の認可が必要ですので、この間はなるべく避けた方がよいでしょう。

Q自己破産しても選挙権はある?
A:選挙権、被選挙権ともにあります。
選挙権は20歳を超えたすべての国民に平等にあります。これにより、権利を失うことはありえません。
通常通り選挙投票も可能ですし、自分が投票される側の議員になろうとすることも大いに可能なんです。
自己破産はどんな人がするべき?

この項目では、自己破産はどんな人がするべきかを見てみようと思います。
自己破産は、やはり「債務整理において最後の選択肢にしたい」と誰しも考えますよね。
しかし、実際に自己破産した方がよい人、避けた方がよい人の基準ってわからないし、気になりませんか?
以下では、その判断する基準を紹介します。
自己破産はしない方が良い場合
まず「しない方が良い場合」です。
以下どれかに当てはまる方は、ほかの債務整理を検討した方が良いですね。
自己破産以外の債務整理で減額した事例もあります。
住居・マイカーなど高額な資産を持っている
自己破産手続きでは、住居やマイカーは高確率で失います。
住まいが賃貸物件だったり、マイカーも市場価値が低ければあまり気にする必要はないでしょう。
しかし、大事なマイホームやマイカーを持っているのであれば、他の債務整理を視野に入れたほうが良さそうです。
5年以上かけても良いのであれば分割で返済していけそう
自己破産するまで追い込まれている方は、どうにもできないほど多額の借金があったり、身体的な理由で返済ができない方が大半です。
もし、ある程度安定した収入が見込まれるのであれば、長期の返済計画が可能な任意整理・個人再生(民事再生)の方が良いかもしれません。
いずれも返済期日を5年以上先にしてもらう交渉が必要ですが、弁護士などと協力して債権者を説得できれば、長期の分割返済も可能と言えるでしょう。
借金の過払いがありそう
自己破産が必要なときには、一人では抱えきれないほどの借金になっていたり、借入れ期間もかなり長期となっていることが予想されます。
もし、借入れが2010年よりも前からであったなら「グレーゾーン金利」による過払い金が生まれているかもしれません。
金利には利息制限法と出資法がある。
利息制限法では金利上限15%程度に対し、出資法は29.2%であったため、この中間であれば、法律に触れることはなく、不正に金利を設定している債権者も多くあった。
この行為がグレーであると思われたため、グレーゾーン金利と呼ばれている。
現在は法律も見直され、このような不正は働けない状況となっていますが、グレーゾーン金利が適用されていた時代に借入れをしている方は「過払い」を疑うべきです。
これを返還請求することで、当時、払いすぎたお金を取り戻せるかもしれません。
過払い金は、借入が長期になればなるほど、高額になっていることも多く、一度に数百万円も戻ってくることだってあります。
それだけの金額があれば、自己破産をせずとも返済計画を立てていけそうですよね。
自己破産を視野に入れた方が良い場合
次に、自己破産することを視野に入れた方が良い場合についてです。
借入額が高額すぎて現実的な返済計画を立てられない
個人再生(民事再生)では、借金の総額上限が5,000万円までと決まっていますが、自己破産については上限が存在しません。
たとえ数十億の借金があっても、手続きの対象です。
数十億は言いすぎましたが、高額すぎて返済計画を立てるのが困難ならば、自己破産手続きで負債を解消してしまうのが最善と言えます。
手放すほどの資産を持っていない
さきほど、デメリットとして「資産を失う」ことを挙げましたが、失う資産がほぼない場合、手続きをしても、その後の生活にあまり影響が出ません。
それなら、自己破産を選択した方が良いと思いませんか?
自己破産手続きのための条件
「自分は自己破産した方が良い!」と分かっても、すべての人ができるわけではないのです。
手続きをするためにはいくつか条件があります。具体的には以下2つです。
- 支払う能力がない
- 免責不許可事由に当てはまるものがない
支払う能力がない
一番に「支払う能力がない」と裁判所に認定される必要があります。
これは「支払い不能」と言い、「借金を返済していけそうな収入や資産がない」ことを意味しています。
「この先、職についてきちんと安定した収入が見込めそう」
「返済額に値する資産を持っている」
このように、裁判所から「支払い能力がある」と判断されれば、自己破産の手続きはできないのです。
単純に「返済がしんどい」「借金が増えすぎた」というだけでは、認められません。
ではどのくらいの借金があると、支払い不能と判断されるのでしょうか?
この判断は個人差も大きくありますし、一概に基準があるわけではないのです。
よく「年収の30%以上の借金であれば自己破産が可能」などと、うわさされていますが、決してこれも明確な基準ではありません。
個人の置かれている環境や債務状況を細かく判断して認定を行いますので、明確な基準はないと思った方が良いでしょう。
免責不許可事由に当てはまるものがない
破産法では「この理由では認可するに該当しない」とされる基準が制定されており、これを「免責不許可事由」と呼びます。
支払う能力がないと思われても、この事由に当てはまると、借金ゼロは厳しくなってしまうかも…
免責不許可事由の一例
- 借金理由がギャンブルや浪費である
- 転売
- 一部債権者には返済活動を続けている
- 破産管財人の調査に協力的でない
- 隠し資産がある
- 裁判所からの調査依頼に拒否をしたり、うその申告をしている
- 過去にも手続きをしており7年たっていない
免責不許可事由に該当しても免責される事案がある
上記の事由があてはまったとしても、裁判所には隠さず素直に事情を説明しましょう。
該当があっても、置かれている状況やご本人の態度なども加味して、裁判所は判断を下します。
なので、ギャンブルで借金を作ってしまったからと言って、それだけを理由に認可されない、なんてことはないんです。
きちんと報告をして、今後は同じことを繰り返さないと、認めてもらえれば、十分できる場合も!
【自己破産】種類と手続き

では、実際に手続きをすることになったら、どのように行われるのかをこの項目で確認していきましょう。
自己破産は2種類あり
手続きには2種類あります。
- 同時廃止
- 管財事件
どちらの手続きが適用されるかは、手続き者の債務状況から判断されますが、ひとつの基準として「資産が20万円以上ある」かどうか、というのが挙げられます。
- 20万円以上持っていれば管財事件
- 20万円以下であれば同時廃止
「破産手続き」では、資産が20万円以下という理由で「同時廃止」となるケースが多いです。
同時廃止
この手続きで実施されるのは
- 貸金業者や銀行などの債権者に対して財産を清算する破産
- 返済する側(債務者)の借金を失くす免責
です。
清算するほどの資産がない方に対しては、「破産」+「免責」を同時に終わらせるため、これを「同時廃止」と呼びます。
同時廃止は、処分する財産がないので、手続きもスムーズに。
通常は、弁護士などの専門家にフォローしてもらい始めてから、さきほどお話した事由などもなければ、3ヵ月ほどで手続きが終了します。
管財事件
管財事件では、本人にある程度の資産があるとスムーズに進まないのが特徴です。
手続きの開始決定がされたあとに、裁判所は「破産管財人」を選出して、処分すべき資産の調査や、実際に処分も指示します。
これが「管財事件」です。
管財人に支払う報酬は、手続き者が費用負担しないといけませんので、同時廃止に比べると費用も多くかかりますし、手続き期間は半年〜1年以上と長くなることが予想できます。
自己破産をして借金をなくすまで
次に、借金が帳消しになるまでの流れを見てみましょう。
弁護士などの専門家へ依頼
まずは、弁護士や司法書士など法律の専門家へ相談することから始まります。
「自力ですべて対応」も不可ではないですが、知識のない素人には非常に複雑で困難です。
ほとんどの方は、専門家へ手続きを依頼します。
仮に、自分で行うと決めた場合でも
- 同時廃止と管財事件どちらにするか
- 問題になることはあるだろうか
などに対して客観的にアドバイスをもらっておいた方が良いです。
無料相談で一度でも話してみるのはアリです。

受任通知の送付
手続き者から自己破産手続きの依頼を受けた弁護士は、貸金業者や銀行などの債権者に「受任通知」を送付します。
受任通知は「手続き者の代理に弁護士がつき、自己破産しますよ」という旨を伝える文書通知です。
これを受け取ると、貸金業者は一切の取り立て行為が実行できなくなります。
申立て書類の作成
自己破産申請には、多くの書類を準備しなくてはいけません。
(破産申込書、陳述書、債権者一覧表、財産目録など)
弁護士に依頼していれば、書類は彼らが用意してくれます。
手続き者は、指示を仰ぎながら項目記入を行うだけです。
自己破産の申立て
作成した書類を裁判所に提出します。
申立ての際には、先程紹介した「同時廃止」が選ばれるように
- 破産
- 免責
の2種類を申し立てます。
自己破産手続きの開始が決定
裁判所が申し立てを元に、自己破産してもよいかどうかの決定を行います。
開始するかについては、提出書類のほかに本人や弁護士などからも直接聴取を行い、状況を総合的に判断して決定するのです。
このタイミングで、同時廃止になるか管財事件になるかも決まります。
免責審尋(めんせきしんじん)
返済義務の免除である「免責」を決定するため、裁判所が手続き者本人と面談をしますが、これを「免責審尋」と呼ぶのです。
弁護士に手続きをお願いしても、本人が裁判所に出向き、裁判官から質問される流れが多いですね。
質問される内容には以下が挙げられます。
免責審尋で聞かれる質問の例
- 本人の住所や氏名などの基本情報
- 借金を抱えることになった経緯や具体的な理由
- 返済不可能なほどの借金を作ってしまったことに対する感情
- 借金を今後はしないと言えるか
- 今後の生活で注意できる点はなにか
免責の認可
これまでの手順を通して、裁判所が免責に値するかを決定します。
免責が認可されれば、晴れて借金を失くしてゼロにできます。
うそをついたり、不正を働いたりしなければ、基本的には免責は許可されるケースがほとんどです。
自己破産は他と何が違う?

これまでの内容で、自己破産は他の債務整理より難易度も高く、私生活への影響も多いとわかりましたよね?
可能であれば、自己破産以外の方法で借金問題を解決に導くのが良いです。
任意整理の場合
貸金業者と直接交渉し、利息や支払滞納による賠償金を減らしてもらう。また、借金残高を長期分割支払いに変更してもらう方法。
長期分割は、3〜5年が一般的です。
裁判所は通しませんので、手続きも複雑ではなくすぐに終了します。
家族や職場に気付かれず手続きが可能なので、任意整理で借金を減額する方は非常に多いです。

個人再生の場合
裁判所に、借金総額を最大1〜2割まで減額してもらい、残った金額を3年かけて返済していく方法。
裁判所を通すため、法的に借金を大幅減額できるのが最大の魅力です。
任意整理だけでは問題を解決できない方、貸金業者ともめている方にとっては、オススメ方法と言えるでしょう。
また、自己破産との違いは資産を残せる点です。
マイホーム・マイカーも残して手続きを行える場合もありますよ。

過払い金請求の場合
過払い金は貸金業者や金融機関に払いすぎたお金を指し、これを返還請求をすることで取り戻す方法。
前述の項目でもグレーゾーン金利については紹介していますが、2010年以前は、まだこの制度が廃止されていなかったため、不正に利息を取る債権者も多くいたのです。
2010年以前から長期に渡り借金を続けているなら、過払い金請求は効果があります。
借金額を上回る利息を払っているケースもありますので、思い当たる方は一度弁護士に相談してみるのが良いですね!
【自己破産】メリット・デメリットを解説!手続き後はこんな影響が! まとめ
自己破産手続きにおけるメリット&デメリットを詳細に解説しました。
自己破産は借金を帳消しにできるけど、失う資産も大きい
手続き後はブラックリスト登録が5〜10年続く
自己破産には同時廃止と管財事件があり、後者の方が複雑で時間がかかる
自己破産は、なんと言っても、他の債務整理には不可能な「借金自体をなくせる」ことが、大きなメリットです。
しかし、その代償は大きく、資産を失ってしまう、ブラックリストに登録される、などのデメリットも無視できません。
もちろん、自己破産が「もっとも良い解決方法」と、判断されるケースもあります。
いずれにしても「ご自分に合う債務整理がどの方法であるか?」を、ご自分で判断するのは危険です。
まずは弁護士などの専門家へ、意見を仰いでみるのが良いでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。